資産家にとってポイントとなる影響と対応策

第272回 財産承継研究会

2011年税制改正のポイント

資産家にとってポイントとなる影響と対応策(DVD研修)

今年の税制改正では、相続・贈与関連の税制が大きく改正されることが知らされております。資産家にとって大きな影響を与えると想定されます。相続・贈与を中心とした対応策についてご案内します。

①相続税の基礎控除の引き下げ

(平成23年4月1日以後の相続から適用)

(改正前)5000万円+1000万円×法定相続人の数

(改正後)3000万円+600万円×法定相続人の数

②相続税の税率強化

(平成23年4月1日以後の相続から適用)

2億円から3億円までの金額40%から45%に、6億円超の金額50%から55%に上がります。

課税割合が現行の4%から6~7%へ拡大され、都市部では地価が高いため改正による影響は表面に出ている数値以上に大きくなることが予想されます。

2次相続に注意が必要です。1次相続の時に2次相続がかからないと想定して、配偶者に分割したケースも改正後は2次相続税の負担が想定されます。配偶者の取得分をどうするか、検討が必要になります。相続対策の検討贈与対策、建物対策、組換対策、債務対策、養子対策が有効です。

③贈与税の税率

(平成23年1月1日以後の贈与から適用)

若年世代への早期資産移転の促進を趣旨とし、20歳以上の者への直系尊属からの贈与について贈与税が緩和されます。しかし、4500万円超の金額については、50%の最高税率が55%へ引き上げられています。

暦年贈与を行う事が確実な相続対策となります。贈与の限界税率と相続税1次、2次の合計の限界税率を比べて、贈与の限界税率の方が低い場合、贈与が有効となります。

④相続時精算課税制度の要件緩和

(平成23年1月1日以後の贈与から適用)

贈与する者

改正前)65歳以上の親
改正後)60歳以上の親・祖父母

贈与を受ける者

改正前)20歳以上の子
改正後)20歳以上の子・20歳以上の孫

贈与時・相続時を合わせた税金が、暦年課税と相続時精算課税のどちらが安くなるのか、検討が必要になります。相続税がかからない人にとっては、相続時精算課税を利用した贈与は、無条件に得でしたが、平成22年の税制改正の小規模宅地等の特例の適用および、今回の相続税の基礎控除の引下げ等により、相続税がかかる事も想定されます。相続税の試算をし直して原状を把握することが大切です。

⑤住宅取得資金贈与の非課税

(平成23年1月1日以後の贈与から適用)

平成23年12月31日までの土地の先行取得資金にも適用されます。1000万円まで非課税。

住宅の敷地の用に供される土地を取得する資金について贈与税の非課税を受ける場合には、住宅の取得と同時であることが要件でしたが、先に土地を取得してから住宅の建築をするケースも少なくないため、先行して土地等を取得するための資金も追加されることになりました。

尚、平成23年度税制改正ですが、4月1日現在成立しておりません。今のところ成立の目途はたっておらず、不透明な状態です。今後の動きに注目が高まります。

 

♥ 次回の財産承継研究会の開催日 ♥

2011年7月22日(金) 18時30分~20時30分

☎044-811-1211(石井・駒まで)

お申し込みは こちら

 


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