被相続人が終身の老人ホームに入居後、相続が発生した場合の小規模宅地特例の適用

第254回 財産承継研究会

被相続人が終身の老人ホームに入居後、相続が発生した場合の小規模宅地特例の適用

講師
株式会社LR小川会計
渡部 寛二

高齢化社会の広がりを背景に有料老人ホームの「終身利用権」がネックとなり、相続税の小規模宅地の評価減特例が否認されるケースが増加傾向にある。

「小規模宅地の評価減特例」とは、相続または遺贈により取得した土地の中で一定の要件を満たせば、評価減が認められる相続税の優遇措置。例えば被相続人が住んでいた自宅を相続して引き続きそこに居住するケースでは、240平方メートルまでの部分について80%の評価減が可能だ。

1億の宅地でも特例を適用すれば2千万円となるため(1億円-1億円×80%)、基礎控除によって相続税はかからないということになる。

問題となっているのは、老人ホームに入居している人の「生活の拠点」についてだ。

適用の要件の中で「相続開始直前まで被相続人または、被相続人と生計を一にしていた親族の居住用に供されていた事」とあり、有料老人ホームの「終身利用権」を取得した場合「生活の拠点」は有料老人ホームと判定され、その結果小規模宅地特例の摘要外となる。

有料老人ホームの契約内容によって相続税に影響が出る事を踏まえ契約を検討すべきだろう。

 

♥ 次回の財産承継研究会の開催日 ♥

2010年2月26日(金) 18時30分~20時30分

☎044-811-1211(渡部・駒まで)

お申し込みは こちら

 


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