変額年金保険入門 その1 運用商品としての変額年金保険

【はじめに・・・】

変額年金保険とはいったいどんな商品でしょう?年金?保険?実は様々な側面を持つ商品です。前回までお話した投資信託とも密接な関係があります。今期は、その仕組みや、気をつけたいポイントについてお話していきます。

【変額年金保険とは・・・?】

投資信託+養老保険 ⇒ 年金(一時金)受取

多くの場合は、一括で保険料を払込、保険会社の専用口座〔特別勘定〕で投資信託により運用され、将来年金や一時金の形で受け取る商品です。

運用実績に応じて、将来の受取年金額は変わるので、『投資型年金』とも呼ばれています。「最低保証付」の商品の場合は、元本保証されます。

また、保険としての機能もあり、途中で死亡した場合は、一時払い保険料額(基本保険金額)+運用益が保証されるのが一般的です。

【運用先と運用期間】

運用先の投資信託〔ファンド〕は、主に国内株式・国内債券・外国株式・外国債券に分散されたバランスファンドが、比率を変えて数種類用意され、各個人のリスク許容度に合わせて選ぶようになっています。また、ファンド間のスイッチング(乗り換え)も一定回数までは手数料がかからずできます。

「元本保証付」の場合は、リスクが限定されますが、運用期間中に値動きの大きい商品への投資割合が制限されるので、あまり高い収益は期待できません。

運用期間は10年以上の商品が多いですが、最近では、据置期間が1年で、受け取りながら運用する商品も出てきました。

運用期間が長期の場合は、リスクの軽減が図れますが、短期の場合は、リスクが高くなるので注意が必要です。

【中途解約時の注意点】

中途解約の場合は、ほとんどの場合でペナルティがあります。さらに最低保証も外れるケースが多く、運用実績が悪い場合は、大幅な元本割れになるケースもあります。購入する際は、相当の期間使う予定のない資金をあてるようにしましょう。

【様々な手数料】

*手数料率は各商品によって異なります

◇購入時にかかる手数料

* 契約初期費用 0~5%

◇運用期間(据置期間)中にかかる手数料

* 保険関係費(保険料) 1~3%
* 資産運用関係費(=ファンドの信託報酬) 0.2~1%

◇解約時コスト (据置期間が10年超の場合)

* 契約7~10年以内に解約の場合 最大3~10%

◇年金受取期間中にかかる手数料

* 年金管理費 1%程度 (一般勘定で運用)

【運用成績<手数料!?】

変額年金は投資信託と比べて、手数料が高い商品です。投資金額100万円、契約初期費用5%。保険関係費+資産運用関係費が3%とした場合、100万円から初期費用5万円を引いた95万円が運用元本(特別勘定)となり、さらに毎日3%が費用として控除されるので、運用成績が3%程度では、実質マイナスとなってしまいます。

【まとめ】

一口に変額年金保険といっても、元本保証があるか・ないか、佐相低預入金額、運用(据置)期間、手数料、受取方法など、商品によって内容は様々です。

金融商品としては運用コストが高く、また保険商品としても保障内容は魅力的とは言えません。ただし、税制面でメリットが大きく、相続対策商品として、一定の人気があります。次回は、相続対策としての一面についてお話します。

 


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