投資信託入門 その4 『長期投資のススメ』

【資産形成に必要なこと】

投資というと短期間で利益を得るイメージがつきものですが、毎日株価や情報をチェックして常にアンテナを張っているのは大変なことです。

でもそんなことをする必要はありません。実は誰でも、立派に資産形成ができるのです。

◆一度に投資をしない(コツコツと積立投資) ⇒時間分散

◆長期にわたり投資する ⇒価格変動リスクの平準化

◆長期投資に向く商品を選ぶ

以上3点を守れば、ほったらかしでも大丈夫なのです。
(もちろん時々はチェックして下さい!)

【積立は早く始める方が良い理由】

保険に加入する時に、「早いほど保険料が安く済む」という話をよく聞きます。18歳満期の学資保険に入る場合、0歳で加入すれば18年間、8歳で加入すれば10年間運用できます。保険の場合は予定利率が決まっているので、満期でもらえるお金は一緒ですが、保険料は運用で殖える利益分も考慮して計算されるので、払込総額は早く加入するほど割安になります。

積立投資も同じです。

早く始めるほど=運用期間が長いほど、「複利での運用効果」が働き、金額に大きく差が出てくるのです。

【積立投資の効果】

A:月々に1万円ずつ積み立てた場合

年利0.0% 10年後 120万円    20年後  240万円
年利2.0% 10年後 131万4千円  20年後  291万5640円
年利4.0% 10年後 144万720円  20年後  357万3360円

B:10年後から2万円ずつ積み立てた場合

年利0.0% 15年後 120万円     20年後  240万円
年利2.0% 15年後 128万960円  20年後  262万8千円
年利4.0% 15年後 129万9840円  20年後  281万1440円

【分配金の考え方】

分配金が毎月もらえると聞くと、何だか得した気分がします。ですが、分配金を年に何回も出す商品は、資産を現金化しなければならず、手間も費用もかかります。その費用は実は購入者が負担しているのです。

まとまった資金の運用方法としては、選択肢の一つとなりますが、これから資産を形成していこうと考えるなら、むやみに分配金をうたう商品は選ぶべきではないでしょう。

【長期運用に関するデータ】

「10年先を読む長期投資」より抜粋

長期の株式投資が効率的だということは、財団法人日本証券経済研究所の調べで実証されています。

1952年から2006年までの54年間で、日本株の株価収益率(株式投資したときに得られる収益を投資額で割った比率)は、バブル期の失われた10年も含めて、年平均で13.7%に達するそうです。

【長期運用の為の投資信託選び】

多くの投資信託は、顧客を集める為に分配金を多く設定したり、その運用成績を3ヶ月ごと・1年後と評価されているので、目先の利益に走りがちで、10年・20年保有することを考慮されていないのが実情です。

◆指標に連動するインデックスファンド
◆10年先が楽しみな企業を扱うファンド
◆保有手数料(信託報酬)が高すぎないファンド

などを考慮して選ぶとよいでしょう。

長期投資を掲げる投資信託の先駆けは『さわかみ投信』ですが、他にも長期運用の為の投資信託を自分たちで作ろう!という税理士・FPなどの手による『おらがまち投信』が相次いで設定されて話題になっています。ぜひチェックしてみてください。

【まとめ】

ガソリンや小麦など、私たちの生活中でもインフレの足音が聞こえるようになってきました。定期預金や債券だけではインフレによる価格上昇に対応することはできません。低金利に鳴らされた頭をリセットして、第一歩を踏み出しましょう。

長期投資の第一人者『さわかみ投信』の澤上篤人社長が本を出版されています。初心者でも非常にわかりやすく参考になりますので、ぜひ手にとってご覧下さい。

『10年先を読む長期投資』 -暴落時こそ株を買え

澤上篤人 著 朝日新聞出版社

 


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