第2回出前寺子屋セミナー「財務諸表には税務署用と経営者用と2つある!?」
ちょっと気になる最近のアノこと、コノこと…自由にトーク!
思わずエッと思ってしまう今回のタイトル。実は、通常お客さまにお出しする財務諸表は税務署提出用の全部原価で計算してあります。
第2回セミナーは、㈳川崎北工業会をお借りし弊社の田辺誠一が講師となり、「経営の意思決定に役立つ決算書とその読み方」をテーマに開催しました。
税額計算をするのは、全部原価によって行う、ということが法律で決められているので、それに沿って財務諸表を作る訳ですが、経営者が本当に知りたい会計の情報、つまり「今、本当の儲けはどれくらいになっているのか?」「先々を見通したいと思ったら、決算書からどの数字を見て、何を判断すれば良いのか?」という疑問には、全部原価方式の財務諸表では応えることができません。
それではLR小川会計グループではどうしているのか、というと通常の税務署提出用の財務諸表に経営者の意思決定に役立つ「直接原価方式」によるマトリックス会計表をつけています。
これによって当期の本当の利益、経費、負債などがすべて分かるようになっています。
その理由は、A3サイズ一枚にすべての仕訳が表示されており網羅性に優れている上に、キャッシュフロー計算書、貸借対照表、損益計算書の3つの数字がすべて記載されているからです。
これを見ることで会社全体を俯瞰し、次の経営戦略を考えることができる、という大変便利なものなのです。
また、経理のプロでなくても決算書の内容を理解することができやすいというメリットもあります。
セミナー当日は、そういった税務署用財務諸表と経営者用財務諸表を分けていくことの重要性を分かりやすく約2時間にわたってお話しました。
では決算書を通して把握している数字をもとに経営戦略を立てるにはどうしたら良いのか、という頭の痛い課題には「MG(マネジメントゲーム)」※注1 という経営シミュレーションゲームから体験的に学ぶことができるようになっています。
自分が置かれている状態がどうであっても、利益を最大にできる力を身につけると企業が繁栄します。そういった経営改革を行う力と先見力・経営力の両方を支える基礎が直接原価による財務管理方法です。
総合的な経営力を何度もゲームで繰り返し行って身につけ、実際の経営に活かして企業繁栄につないでいこうと考えています。
次回以降の出前寺子屋の予定はイベントインフォメーションに定期掲載いたします。
※注1 マネジメントゲームはソニーCDIで西順一郎氏が開発した経営教育の手法です。
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