思想ある3M経営

㈱リバーストン吉田社長講演 思想ある3M経営

「食・遊・知」人生のワルツ

No105_1042522去る 10 月 11 日の当社主催 MG研修で、関西・首都圏・名古屋地区で「浪花ろばた八角」等の飲食店を経営されている株式会社リバーストン代表取締役・吉田源三氏にマネジメント・ゲーム(以降、MG)、マイツール(以降、MT)と経営について講演をしていただきました。

冒頭で吉田社長は人生のエッセンスをお好きなオペラになぞらえ、イタリアでよく使われる「アモーレ(恋する)、カンターレ(歌う)、マンジャーレ(食べる)」とおっ しゃいました。吉田社長は、そこから更にご自身の生き方を「食・遊・ 知」という3つの要素が充実するように心がけておられます。この思想に基づいて展開していくのが「リバーストン流科学経営」なのです。

お店は舞台

オペラがお好きな社長は、店舗経営をオペラの舞台に見立ててオペレーションを組立てておられるそうです。社長=プロデューサー、店長=ディレクター、スタッフ=タ レントという分担です。つまり、それぞれの持分に沿って仕事をして、現場はスタッフが最高の演技(接客・演出・心配り)をして、お客様にお支払い以上の満足感を感じて帰っていただく、ということなのです。

社長の最大の責務である 「すべての社員が伸び伸びと 働くことができる環境を創る」という課題解決にMGや MT、マトリックス会計が毎日活用されているのです。

現在過去未来の三面鏡

科学経営のツールであるMG、MT、マトリックス会計を使う時に吉田社長は次のような視点で仕事を総括されているとおっしゃいました。「経営の核は、三面鏡のようなもので、現在・過去・未来に亘って価値連鎖を生むステークホルダーの最たるものであるお客さまに対して公平にサービスが行き渡っているか?ということだと考えています。弁証法的に現在は過去の否定、未来は現在を総合し創られるものということになります。

また、未来から見たら現在と過去はどのように見えるのかも考えなければなりません。このように現在・過去・未来は循環しながら新しい次元へ発展していくのでお互いを映し出す三面鏡のようなものだと思うのです。」 その三面鏡思考は、優れたリバーストン流科学経営の根底で重要な役割を果たすことになります。

システムの核「日次決算」

リバーストン流科学経営の核は、各店舗からインターネッ ト経由で送られてくる電子日報を集計し、毎日の目標粗利総額を超えたかどうかを確認する「日次決算」です。

「目標売上総額達成」ではな く、「目標粗利総額達成」であることがポイントなのですが、一日分の材料原価、人件費、その他経費を差し引いた金額が損益分岐点を超えているかを店舗別に集計をします。売上金額は見せかけの値でしかないので、その達成があまり意味を持たないことをリバーストンの店長さんたちは教えられています。

ですから、自分たちの利益になる原資は、粗利総額の多少であることを毎日集計して、次の店舗運営を考える材料としているのです。この集計には当然MTが使われており、約 20 年近くにわたって構築されてきた販売データなどを解析し、移動月計・年計を使い、今後の利益予測を出しながら、社長が経営の意思決定をされているのも特徴です。

教育は全ての業務に優先する

吉田社長がリバーストンに入社されて間もなくの頃に出会い、その後に大きな影響を及ぼした書籍がMGの開発者である西先生の著作だったと言います。その著作は先代社長から受け継いだものだったと言いますから、吉田社長は人生の中で科学経営に出会う必然を持ってリバーストンに来られたようにも思えます。

その著作の一つが「教育はすべての業務に優先する」というものだそうです。お客さまも会社も社員もみんなが良くなるためには基本の教育をきちんと受けて物事の根源が理解できる力を身につける必要がある、とお考えのことは、正にそのタイトルどおりのことを実践していらっしゃるわけです。

そのためにMG・MT・メールの研修は全員ができるように行い、共通理解の下で仕事をするような環境を作られました。この3つの 「M」をバランスよくやることが会社が活性化するポイントとおっしゃっていましたが、「バランスよく施す」というのは300期を超すMGの経験の中から生まれてきたものです。

コンパクトかつ効率の良い仕組みにするために、MGやMTの思想は重要な役割を果たし、現在の経営システムが完成するまにでは膨大な時間と労力が費やされています。

思想のある経営

特筆すべきは経営システムを作ることがすなわち人間を育てることになっていた、ということでした。科学を使いこなす人が育って、正しい道筋に全体が動くという大原則を吉田社長はMGやMT、そして西先生の思想の中から学んでこられたのでした。

「思想のある経営」とは、単に利益だけを追うのではなく、働く人、会社、お客さまの三者が皆ハッピーになれる、正しい人間中心の思想があってのことだと講演を通じて学びました。

 


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