学生インターンシップを実施
学生の職能教育の一環として全国で実施されているインターンシップ制度は、約 9年間の歴史があります。
神奈川県教育委員会では平成 12 年度より「(高校生の)インターンシップ実践推進事業」として、また、大学に対しては、川崎商工会議所で平成 19 年夏より川崎市内にキャンパスのある6大学の学生を会員企業に派遣して企業実習を行う「川崎インターンシップ制度」がスタートし、当社では、この2つのインターンシップの受入先となりました。
インターンシップ=就労体験ということですので、帳簿の整理やデータ入力などの日常業務に参加することで良いのでしょうが、「会計事務所の仕事とは何か?」ということはほとんど伝わりません。「会計事務所の仕事、任務をどのように理解してもらうのか?」という根本的な課題にぶつかりました。
そこで、会計事務所の存在価値を体験として理解してもらえるように、当社でお客さまにご案内しているMG(マネジメント・ ゲーム)で擬似的に会社経営の経験をすることで、会社経営の中のどの部分を会計事務所が担っているのか、また、広くは会社とは何かを感じてもらう方法を採りました。
8月 20 日から5日間、LRビルに4名の高校生、3名の大学生がやってきました。私自らがインストラクターとな り、会社がどのようにしてできているのか、という講義に始まり、会社経営シミュレーションゲーム「M G」に移っていきます。ゲーム間の講義では「自分の夢・やりたいこと」 を10 個書上げて発表してもらいました。書き出して明確化することの重要性と共に、焦らずゆっくりみつけましょうというメッセージもぜひ伝えたかったのです。
ルールに不慣れなところはあるものの、だんだんとやり方が分かってくると売るタイミング、仕入れるタイミングを計る様子が見られるようになって来ました。
最初は会社経営するとは何をするのか漠然としていたものが数日間のシミュレーションで自ら考えられるようになり、その中から「仕入」「設備」「人材と教育」「利益」「広告」といったそれぞれの要素の意味するところが分かってきます。
そういった要素の集大成である 会社の日々の資金繰り、帳簿記入、現金出納、決算などの一連の作業のある部分を代行しているのが会計事務所の役割であると、ゲームを通じて体験してもらいました。
最初は不安気だった表情も最終日には、自信ある表情に変わり、頼もしく感じました。会社とは何かを知ることで、社会人として会社で仕事をすることの意味は、単に会社から働いた分の給料をもらうということだけではないことが、インターンシップを通じて参加者の皆さんには伝わったことと思います。
また、会計事務所が会社の経営と密接につながっており、経営者の意思決定の基となる資料を提供していることも具体的に見えてきたのではないかと思います。 職業の真髄を短期間で教えることは難しいことですが、今回のインターンシップで会計事務所の存在価値は何か、に触れてもらうことで会計の重要性をも感じて帰ってく れることを願うばかりでした。
小川泰延
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