表計算とデータベース⑥
エクセルとマイツールの違いと特徴(続編)
③「セル」と「行・列」捉え方の違い
エクセルが「セル」を単位としているのに対し、マイツールでは「行・列」を単位にしていることも大きな特徴でしょう。
次の図1のように、常に仕事を行(ヨコ)と列(タテ)の2次元で捉えてデータを「1行1データ方式」で蓄積していき、加工をニーズに従って思いのままに繰り返すのです。溜めてあるデータ群はデータベースの格納庫と考えて下さい。このデータ群が加工によって形が変わり、いろんなアウトプット(作品)を創作していけるのがマイツールです。
皆さん、まずは仕事を2次元で捉え、「1行1データ方式」でデータ蓄積をして下さい。加工準備が整ったら、そこからが『あなたの腕の見せ所』です。
④【仕事は=】の問いかけ(戦略的発想ソフトである所以)
次に、エクセルが「範囲指定→メニュー選択」の順序であるのに対し、マイツールでは「加工命令(目的)→範囲(列、行)指定」というように操作順序が逆になります(1目的が先)。
例えば、データを加工する時に、エクセルならカーソルをその場所(セル)に移動すればそれだけで入力出来るように設定されています。また、表計算で計算式を入れて仕事をする時も同じく範囲設定が先です。
一方、マイツールでは何をするにも【仕事は=】(何がしたいの?)と先に仕事の目的を聞いてきます(範囲指定は後)。言わば、「ご主人様、如何いたしましょう?」と控えているアラジンのランプの召使いのようです。そう、あなたは「ご主人様」なのですから、コンピューターの画面に向かって、「ああせよ、こうしろ」と思いつきで命令すればいいのです。マイツールはそれに100%応えてくれるでしょう。
表にデータと計算式を入れ込んで、集計・報告書が出来れば「はい、それで仕事終わり」というエクセルの表計算(あなたはコンピューターの奴隷?)とは発想が180度違います。エクセルユーザーの皆さんにとっては何かやる毎にその都度コマンドを使うことに慣れないため、最初は戸惑ってしまうかもしれませんが、ここさえクリアすれば、しめたもの。
マイツールはもともと経営者が自分の経営・仕事(意思決定、判断)をするために日本人が開発した戦略的発想ソフトなのです。データは貴方の指令に忠実に加工されていきますが、何が出てくるかは貴方の腕(戦略的発想)次第なのです。
つまり、マイツールは貴方の頭脳の鏡なのです。従って、目的意識や戦略的発想が乏しい人にとってはあまり役に立たないソフトかも知れません。(皮肉、皮肉)
⑤データと会話しながら楽しい仕事
マイツールの最大の特徴は、そのスムースなデータ加工【レパートリーの多彩さ、その連続技の凄さ、自由さ・軽さ】にあります。
画面のデータを加工する時に「ああでもない、こうでもない、あっそうか、こうすればどうだ、え!そうだったのか、やった!」など、会話しながら仕事する光景をマイツールではよく見かけます。「データ(画面)と会話しながら仕事をする」ことが出来る唯一のソフトでしょう。
しかも、失敗・やり直し大歓迎。いい加減な操作でも「エラー」にならず加工がドンドン進んでいってくれる、何とかなってくれる、というコンピューター音痴には嬉しい設計です。
仕事を行(ヨコ)と列(タテ)の2次元で捉えることが出来ればしめたもの。原データが「1行1データ形式」で蓄積されてさえいれば、はっきり言って何でも出来てしまいます。(マイツールで出来ないことはない!という人も居るほどです) エクセルのデータベース機能とは比べ物にならないほど凄いのです。
「百聞は一見にしかず」ならぬ、「百見は一験にしかず」です。
<参考文献>
『戦略的マイツール入門』-企業革命のためのコンピューター
西 順一郎・山名 武史 著 (ソーテック社 初版1986年)
記・神奈川県藤沢市在住 製造メーカー勤務 T
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