相続税の税務調査の実態と最新動向

第424回 ロングリレーションズ倶楽部

テーマ:

相続税の税務調査の実態と最新動向

講師:

税理士法人LRパートナーズ
第1部/代表社員 小関 和夫
第2部/川崎事務所 所長 嶋田 栄一

♣税務調査の基本サイクル

相続税の税務調査は、基本的に相続開始の2年後に行われます。税務署は7月1日から翌年6月30日までを1つの事務年度(ワンサイクル)として計画を作成し、調査業務にあたっています。

♣令和6事務年度の調査実績


令和6事務年度の実地調査は、令和4年に相続が開始した事案が対象です。実地調査の件数は全国で9,512件となり、コロナ禍前(平成30事務年度)の76.3%まで回復しています。調査が行われた案件のうち、申告漏れ等が指摘された割合は全国で82.3%と非常に高い水準です。

1件当たりの追徴税額は、実地調査の場合、全国平均で867万円、東京国税局管内では1,105万円に上ります。また、実地調査以外にも電話や面談による「簡易な接触」が全国で2万1,969件実施されており、幅広い形で是正が図られています。

♣税務調査のキーワードと事例

昨今の調査では「無申告事案」「国際化事案」「追徴税額の最大化」がキーワードとなっています。実際に次のような悪質なケースが指摘されています。

【事例1】

自宅での現金隠し相続開始前に口座から多額の現金を引き出し、相続人の自宅金庫で保管して申告から除外した事例です。現金の使途を厳しく追及され、約1億2千万円の追徴税額(重加算税有)が課されました。

【事例2】

家族名義の口座への資金移動、相続税の基礎控除以下に見せかける目的で、家族名義の口座へ預金を分散し、無申告だった事例です。発見されたノートなどを基に追及され、約4億3千万円の追徴税額(重加算税有)が課されました。

税務署は多角的な手法で財産を把握しています。調査のリスクを正しく理解し、適正な申告を心がけましょう。

 

 

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