『引き算する勇気』から学ぶ小規模企業の生存戦略
「品揃えを減らすと、売上が下がるのではないか?」「ターゲットを絞ると、客足が遠のくのでは?」日本の多くの企業、特に経営資源に限りのある小規模企業ほど、こうした「引き算」的な経営に対して不安を抱きがちです。
しかし、モノや情報が溢れかえる現代において、消費者が求めているのは「多機能」ではなく「シンプルさ」へと変化しています。
経済が右肩上がりの時代は、広告宣伝や営業力といった「押す力」が有効でした。
しかし、成熟社会となった今、選ばれるのは消費者の買いたい気持ちを喚起する「引く力(引力)」を持つ企業です。『引き算する勇気』岩崎邦彦氏(著)は、この「足し算のワナ」から抜け出し、あえて「引く」ことで独自の価値を築く戦略を説いています。
◇なぜ「足し算」は危険なのか
多くの企業がライバルを気にするあまり、同様 of サービスや商品を追随して増やしてしまいがちです。
しかし、資源が豊富にある大企業と違って、中小企業は「限りある資源」をできる限り効果的に活用しなければなりません。足し算をして経営資源を分散させることこそが、中小企業にとっての真のリスクです。
たとえば、こだわりのケーキ一本で勝負するA店と、ケーキの他にパンや惣菜まで幅広く扱うB店では、取扱商品を絞り込んでいるA店の方が競合が少なく、専門性が際立ちます。「何でもできる」は、消費者から見れば「特徴がない」ことと同義です。品揃えを総合化するほど「引力」は弱まり、逆にライバル企業を増やす結果を招くことになります。
◇「良い引き算」をするために
単なる手抜きや簡略化は「悪い引き算」です。「良い引き算」とは、何かを削る代わりに、別の「核となる商品やサービス」に徹底的にこだわり、手間をかけることを指します。効率化すべきところは徹底して効率化し、価値を生む部分には非効率なほど情熱を注ぐ。このメリハリが、大企業には真似できない「とんがり」を生むことになります。
「何を売るか」と同じくらい「何を売らないか」を決めることは勇気がいります。
しかし、規模が小さいからこそ「引き算」で戦略を考えることは武器になります。流行に流されず、普遍的な価値を届けるために、今こそ勇気を持って「引き算」の経営を実践してみてはいかがでしょうか。
《参考書籍》
『引き算する勇気~会社を強くする逆転発想~』岩崎邦彦氏(著)

神奈川県川崎市で税理士・社会保険労務士をお探しなら
経営者のパートナーとして中小企業の皆さまをサポートいたします


