相続対策
前号までは、相続税の申告状況からその財産構成に触れさせていただき、財産の現状を把握することをお勧めしました。
財産の構成は、その方の生きてこられた足跡であり、千差万別ですが、財産を残される方が子や孫に適切に財産を引き継ぎたいとの思いは、多くの方に共通しているのではないでしょうか。
ご自身に万が一のことがあった場合のためにできることをやっておきたいと考えることも人情でしょう。
では、「相続対策を考えたい」との漠然とした状況から具体的に何をしたらよいか、なかなか想像ができないかもしれません。
相続対策というと、相続税を減らすための方策、いわゆる節税対策とお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、税金を減らすための方策だけを考えても円滑な相続に結びつかないこともあります。
相続税の節税対策は、相続対策の一つの項目でしかないと考えたほうが良いのではないかと思います。
相続対策を考えるにあたって、次の4項目が重要と言われています。
① 生前の生活資金等の確保
② 遺産分割対策
③ 納税資金対策
④ 相続税節税対策
この中でも遺産分割対策は、争族未然防止対策でもあり、私は非常に重要だと考えています。
戦前の民法では、家を中心とし、家を維持・存続するという観点から、家督相続制度が採用されており、家督相続人が全ての財産を相続する制度でした。
この考え方は、農耕を中心とする日本においては、農地の細分化を防ぎ、農業の生産性を維持するという側面もあり、一定の理由があったのではないかと思われます。
現行民法では、同一順位の相続人間では、均等相続が基本となっています。
また、遺留分の規定もあり、遺言を残したとしても、兄弟姉妹を除く法定相続人には一定の権利が保障されています。
遺産分割での親族間の争いが、巷で争族といわれるものです。
次号以降で遺産分割対策について具体的に考えてみたいと思います。
税理士法人LRパートナーズ
川崎事務所 所長 嶋田 栄一

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