主婦パート消滅!? 社保適用拡大は全ての事業所に!
1 来年改正法案提出の見込み
将来的に、社会保険の適用拡大の規模要件が撤廃され適用対象が大幅に広がる見込みで、いわゆる「扶養範囲内で働くパートタイマー」の働き方にも大きな影響がでます。
厚生労働省が設置した有識者懇談会は、短時間労働者に対する厚生年金および健康保険の適用拡大に関する重要な報告書を7月3日に取りまとめました。主な提言として、企業規模要件の撤廃が挙げられています。
これをうけて厚生労働省は、新たに対象となる事業所の負担軽減策なども合わせて検討し、来年の通常国会に必要な法案を提出したい考えです。
2 現在の適用拡大の範囲
現在、短時間労働者への被用者保険の適用には4つの要件があります。
① 従業員1010人以上の企業規模要件
② 週労働時間20時間以上
③ 月額賃金8.8万円以上
④ 学生でないこと
このうち企業規模要件は今年10月から51人以上に引き下げられる予定ですが、懇談会はさらにこれを撤廃し、より多くの短時間労働者を対象にする方向で検討を進めています。
また、報告書では一部の個人事業所に対し社会保険の加入が義務付けられていないことについても見直しを提言しています。具体的には、まず5人以上の事業所における非適用業種を解消する方向で進めるべきとしています。
3 事業所等の負担軽減策
適用拡大に伴う事業所の事務負担や経営への影響も懸念されており、これに対する配慮措置や支援策が求められています。具体的には、適用拡大への十分な準備期間の確保、専門家による事務支援などが挙げられています。また、保険者である協会けんぽなどの財政・運営への影響も考慮する必要があるとしています。
4 規模要件撤廃の効果
厚労省の試算によると、企業規模要件の撤廃と5人以上の個人事業所における非適用業種の解消が実現した場合、新たに90万人が被用者保険の適用を受けることになるとされています。この適用拡大により、労働者が勤め先や働き方に関わらず、公平な保険制度を享受できるようになることが期待されています。
懇談会の提言内容は、次期年金制度改正に向けた社会保障審議会年金部会や医療保険部会での議論に反映される見通しです。今後も適用拡大に向けた具体的な措置や支援策についての詳細が明らかになることが期待されます。

神奈川県川崎市で税理士・社会保険労務士をお探しなら
経営者のパートナーとして中小企業の皆さまをサポートいたします

“主婦パート消滅!? 社保適用拡大は全ての事業所に!” に対して1件のコメントがあります。
コメントは受け付けていません。