信託の仕組み

信託とは、「大切な財産」「信頼できる人」に託し、「大切な人や自分自身」のために、管理・運用してもらう制度です。「どういう目的で」財産を管理・運用するかは、自分自身で決めることができます。

今回は「信託」の基本的な仕組みと、どんな目的で利用できるのかを見ていきましょう。

1 信託とは?

信託は、「委託者」「受託者」「受益者」で構成される

委託者:

財産を信託する人。委託者は信託する財産をどのように使うか、誰のために使うかなど、信託の目的や受益者を誰にするかなどを決める。

個人でも法人でも、委託者になることができる。

受託者:

委託者から信託された財産を管理・運用する人。受託者は、委託者が決めた目的に沿って、「受益者のために」信託された財産を管理・運用し、その結果乗じた利益を受益者に交付する。

受託者は信託された財産を受託者自身の個人の財産とは分けて、管理する分別管理義務がある。金銭については受託者が管理するため、金融機関で信託口口座・信託専用口座を開設しその口座で金銭を管理する。

受益者:

信託された財産より生じた利益を受け取る人。信託された財産は受託者のもとで管理・運用され、それにより生じた利益が受託者から受益者へ渡される。受益者は委託者が決定するが、個人でも法人でもなることができ、複数でも指定することができる。

2 信託の特徴

⑴ 信託の目的は、自由に決めることができる

自分の為、家族の為、ペットの為など

信託の目的

⑵ 金銭以外の財産も信託することができる

金銭的価値があるものであれば何でも信託することができます。

具体的には、信託する際の個々の契約で決めていきます。

信託できる財産の一例

金銭 金銭債権 株式・債券等の有価証券 土地・建物(不動産)

⑶ 信託は「実績配当」

信託財産によって生じる利益も損失も契約によって定められた受益者に帰属します。財産の管理や運用を信託銀行などの専門家にゆだねたとしても、利益が出ない、あるいは元本が減ってしまう可能性もあります。

⑷ 税金を軽減することができる信託がある

帳簿

❖ 特定贈与信託
❖ 教育資金贈与信託
❖ 結婚・子育て支援信託
❖ 財産形成信託
❖ 年金信託

3 信託の目的

誰かの為の信託

誰かの為の信託

自分の為の信託

自分の為の信託

4 財産を守るための仕組み

倒産隔離機能

信託するとその財産の所有権は受託者に移ります。法律で「受託者は信託された財産を受託者自身の財産や他の人から信託された財産とは分別して管理しなければならない」と定めており、分別管理されます。名義人は受託者となりますが、実質的には受益者のものとして管理されます。

万が一委託者や受託者が破産しても、信託された財産は影響を受けません。

委託者が破産した場合には、受託者にお金を貸した人(債権者)が信託財産を差し押さえようとしても、それは実質的には受益者のものであるため、差し押さえることはできないと法律で定められています。

まとめ

信託と聞くと難しいと感じるかもしれませんが、意外と身近に使われているしくみです。

「委託者」「受託者」「受益者」という言葉の意味やしくみを知ると、金融機関の商品や様々なサービスについて理解が深まるでしょう。

次回は、老後の備えとして活用できる信託について取り上げます。

 

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