コンコルド効果

コンコルド効果(Concorde Effect)とは、ある対象への金銭的・精神的・時間的投資をしつづけると損失が出ると分かっていても、これまでに投資した分を惜しみ、ついつい投資を継続してしまう心理的傾向のことです。

イギリスのBACやフランスのシュド・アビアシオンなどが共同で開発した超音波旅客機コンコルドの商業的失敗からきています。

また、コンコルド効果は「サンクコストバイアス」とも呼ばれます。サンクコストとは、何をしても回収することのできない費用のこと。埋没費用ともいわれ、継続を判断する際の材料となります。

❖コンコルド効果の事例

・パチンコなどのギャンブル

負けてしまい、注ぎ込んだお金を取り返そうと躍起になってサンクコストを生み出してしまいます。

・ゲームの課金

課金要素のあるオンラインゲームのなかで希少なアイテムやキャラクターを入手できる「ガチャ」と呼ばれる仕組みは課金が必要で、「次は出るに違いない」「いまやめて何も手に入らなかったらもったいない」と考えて課金を繰り返してしまい、サンクコストを増加させてしまいます。

・恋愛

好意を持っている相手が、自分に対して脈のない様子でも、これまでにかけた時間やお金のことを考えて、ずるずると関係を続けてしまい、次に踏み出せない状態を続けてしまいます。

・事業やプロジェクト

コンコルド効果の由来となったコンコルドのように、投資してきた人件費や広告費などを考えて回収できる見込みがないにもかかわらず、事業を拡大もしくは維持してしまいます。

❖コンコルド効果の対応

ある時点で休止もしくは中止など損切りをすると、サンクコストの増加を防ぐことができます。これまでにかけた時間やお金を考えると踏み出しにくいですが、これまで投資してきた分をすべて切り捨て、執着心なども断ち切ります。また、「いい勉強になった」「改善点を見つけるいい機会だった」と捉えると「損失」ではなく将来に向けた投資として処理できます。

 


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