損益分岐点分析
企業の経営成績や財務状態を分析する手法には様々なものがありますが、今回はその中の「損益分岐点分析」について見ていきたいと思います。
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〇損益分岐点
損益分岐点分析の損益分岐点とは、利益がちょうど0になる売上高のことを指します。損益分岐点を分析することで、その企業がどれくらい安定的に利益を上げられるかがわかります。
また、将来の利益計画や経営管理に活用することもできます。
〇費用の分解
損益分岐点分析を行うために、費用を「変動費」(売上に比例して増加する費用)と「固定費」(売上に関係なく固定的に発生する費用)に分ける必要があります。
分け方の例として、「勘定科目法」があります。勘定科目法は、勘定科目ごとに変動費と固定費を分ける方法で、分け方はわかりやすいのですが、変動費・固定費の両方の性質を持つ勘定科目もある点に注意が必要です。
〇損益分岐点の計算
費用の分解ができたら、損益分岐点の計算を行います。利益を求める式は、
利益=売上高‒変動費‒固定費
となります。この式を変形させて、
売上高=(固定費+利益)÷(1‒変動費率)(①)
とします。
ここで、「損益分岐点とは、利益がちょうど0になる売上高」なので、①の式の利益=0とすると、
損益分岐点売上高=固定費÷(1‒変動費率)
となります。例として、固定費が600、変動費率が0.4だった場合、
損益分岐点売上高=600÷(1‒0.4)=1,000
となり、1,000売上を上げないと損失になってしまう、ということがわかります。
また、①の式の利益に、目標とする利益金額を代入することで、目標利益を上げるために必要な売上高を計算することができます。
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今回、損益分岐点分析の一部を見てきましたが、上記以外にも分析指標には様々なものがあります。収益性や財務の安全性等、いろいろな角度から企業を分析し、問題点を拾い上げ、解決に向けて意思決定を行うことが重要です。
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