経済的殺処分
最大のコロナ死者

アメリカのバイデン大統領はアメリカのコロナ死者が第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争、アフガン・イラク戦争の死者の合計を超えた、と演説していた。日本ではコロナ死者が阪神・神戸地震の死者を超えた、とも報道された。また、先月号でも紹介したが武漢日記の中で向欣然先生の言葉、「感染症で死ぬのはまさに「他殺」と同じです。」と。
ニュースから
産経新聞、日本経済新聞の記事から日付を省略して掲げる。
「女性の実質失業103万人非正規の苦境一段と」「居酒屋・倒産が急増」「昨年の小中高生の自殺、過去最多499人」「自宅療養死亡相次ぐ・新型コロナ」「医療現場、迫られる命の選別」「コロナ自宅療養3万人超」「コロナ解雇8万2050人」「緊急事態宣言延長〝心が折れそうだ〟卸や生産者、経営厳しく」「コロナ倒産、1年で1000件」「解雇・困窮・自殺急増:コロナ苦境、女性を直撃」また、2月9日NHKクローズアップ現代では「最愛の家族に何が?コロナ禍の心中」が放映されていた。
さらに、歴史のある老舗商店・店舗の倒産・廃業も伝えられている。中でも「寅さんの〝男はつらいよ〟」の舞台である〝柴又「川甚」コロナで閉店〟が放映され心に残った。
週刊東洋経済(3月13日号)では「危機はこれからが本番!コロナ倒産 最終局面」が特集されていた。
第2次緊急事態宣言
第2次緊急事態宣言と相前後して、前出のような経済的に厳しいニュースや記事が多くなった。
政府は感染防止と称して国民に厳しい行動規制を求めているが、政府はコロナウイルスに対してどう向き合っているのであろうか。何度も引き合いに出して恐縮するが、鳥インフルエンザに対しては、自衛隊をも動員し、徹底的にウイルスゼロ戦略を展開し、「予防的殺処分」と称して感染可能性のある鶏は1羽も残さず殺処分しているのである。
ところが、コロナウイルスに対しては発症前に感染し、発症前感染者が他人への感染力が強いことがわかっているにもかかわらず、モグラたたきのように発症し病院へ来た人と濃厚接触者に対してのみ検査をしているに過ぎない。しかも、今年に入ってから、検査機関の逼迫などから家庭内感染者に限るなど検査対象を急速に減少させているのである。
経済的殺処分
ニュース等にあるように「コロナ自宅療養3万人超」「自宅療養死亡相次ぐ・新型コロナ」が事実であれば、感染者は本来、即刻隔離、療養、手当てすべきところ、隔離施設が無いため家庭内にとどめ置かれているために感染し死亡しているのであって、前出した武漢の向欣然先生が言うように政府の無策による「他殺」と言われても仕方があるまい。
政府がなすべきことをせず、緊急事態宣言により国民にだけ行動抑制を求め経済活動を制約することは、鳥インフルエンザで行われている「予防的殺処分」に倣って「経済的殺処分」といっても過言ではない。
政府のやるべきこと
政府の役割は誰もが知っているように国民の生命と財産を守ることに尽きる。
コロナに関して時の政府のやるべきことはただ1つ、コロナを徹底して見つけ出し「予防的」PCR検査、抗原検査を実施して、発症前感染者を見つけ出し、早期に隔離し感染拡大や重症化を防ぐことである。
いま、戦略的疫学調査と称して特定施設などでPCR検査を実施し始めているが、これらの検査は現在の状況を示すだけで、将来も未感染であることを保証しているものではない。これらの検査は人によっては毎日でも、毎週でも、頻繁に実施できるようにすべきである。これは政府でなければできないことである。
希望と安心のコロナ対策を
細田博之元官房長官が抗原検査の大規模増強を唱え「ホテルや航空機などの利用者らに抗原検査を行い、陰性の人に割引などを付与する仕組みを提唱」と報じた(読売3/3)。
大規模イベントなども規制するのではなく陰性者であれば通常状態で参加できるようにすればよい。
「GoToキャンペーン」も「陰性者であれば大いに利用して経済の活性化に寄与してください」といえばその都度積極的に陰性検査を受け参加する人が出てくるに違いない。
仮に陽性であっても「早く見つかってありがとう。1カ月分の収入を補償しますから隔離施設に入ってください」という方が「10日間、1カ月間の我慢で済むなら」と積極的に応じてくれるであろう。
税理士法人LRパートナーズ
代表社員 小川 湧三

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