第35回 テレワークの具体的導入準備テレワーク導入準備編②
情報セキュリティ連載
第35回 テレワークの具体的導入準備テレワーク導入準備編②
リモートデスクトップシステムのご紹介

今回はテレワークを構築するシステムについてご紹介します。
テレワークを進めるにあたり、最も注意を払わなければならないのが業務を在宅で行う環境です。
職場環境を再構築するには主に下記の2つの方法があります。
❶ クラウド環境にデータをアップロードし自宅パソコンで利用する方法
❷ リモートデスクトップシステムを導入し、在宅パソコンから職場環境パソコンに接続する方法
❶ の方法は在宅パソコンが私物である場合データが私物パソコンに残ってしまう可能性があり基本的には業務専用パソコンが必要となります。
❷ の方法は在宅パソコンの画面に会社パソコン画面が映るため、従来の職場環境と全く同じ環境を作ることができます。また、私物であっても以下に紹介するシン・テレワークシステムはデータコピー機能を無効にすることができ私物パソコンにデータを残さないようにすることができます。
今回は、❷の方法としてNTT東日本と独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が無償で提供するリモートシステム「シン・テレワークシステム」をご紹介します。
1 シン・テレワークシステムの概要
会社パソコンと在宅パソコンにリモートデスクトップアプリケーションをインストールすると下記のような環境が作れるようになります。

(独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)HPより)
2 導入方法
職場パソコンと自宅パソコンにシン・テレワークシステムをインストールすることで利用できます。インストール先とインストール方法については下記URLを参照してください。
https://telework.cyber.ipa.go.jp/news/
なお、左下URL内の「ご注意」という項目にも記載されていますがシン・テレワークシステムは実証実験という形で提供されていますので、ご使用の際は注意事項をご確認の上、本格運用する前のテストとして使用していただくようお願いいたします。
3 安全性について
☆ インターネット通信
図にあるように会社パソコンと在宅パソコンの通信は安全性の高いSSL通信という暗号化された通信環境で通信されています。
☆ データ利用について
接続時にパスワード設定の他、ワンタイムパスワードを指定したメールアドレスへ送信、送信されたワンタイムパスワードでログインする方法、接続パソコンを限定する方法の3つの方法があります。
4 データ漏洩等について
会社側のパソコンにインストールするアプリケーションに共有機能無効版というバージョンをインストールすると会社側のパソコンのデータを在宅パソコンにコピーできなくすることができ、また、管理者側でID・パスワードを含め接続方法が設定でき一定水準のデータの安全性を保つことができます。
なお、リモートデスクトップアプリで有名なTeamViewerなどのアプリは個人でIDとパスワードを設定できてしまい、どこからでも接続できるので、テレワークでは安全面からあまり推奨できません。
5 新型コロナ収束の後には労働人口減が加速する
シン・テレワークシステムは当初10月31日までとされていましたが、新型コロナの影響で提供期間が延長される方向です。
テレワーク導入は紙媒体の電子化、パソコン環境の構築等とハードルが割合高いので通常時では中々導入が進みません。しかし、この新型コロナの状況下の今だからこそ進めることができます。新型コロナが収束すればコロナ前の状況に戻るという声がありますが、それは間違いです。労働人口は2024年前後から1年ごとに64万人ずつ毎年減少していきます。
収束の見えない新型コロナ、加速する労働人口減少が社会構造を半強制的に変えています。出社しなくても仕事が進められる環境の構築が労働人口減少下でも人材を獲得しやすい状況を生みます。
テレワークが可能な部署やプロジェクト、少人数からでいいので動き出してみましょう。
《参考文献・出典》 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)

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