会社の未来をデザインしよう・事業承継編

経営デザインシート

前号では、企業のビジネスモデル変革を促すツール「経営デザインシート」を簡単にご紹介しました。内閣府知的財産戦略本部が策定したもので、会社の状況把握と将来設計に役立ちます。

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例として「事業承継」への活用が特にわかりやすく、効果も高いのでご紹介します。事業を承継する者が、ある程度決まっている場合(現経営者:社長、承継者:子)を例に考えてみましょう。

中小企業の多くは、その経営ノウハウが社長自身に集約していることが多く、会社の強みや、弱みなどの情報も経営者自身が頭の中で認識しているだけで、文章化されていないことが多いように見受けられます。言葉として承継者へ常日頃言い含めていても、伝わるのは容易ではありません。

このような状況では承継者は、会社の財産である経営ノウハウ・会社の強み弱みをしっかり理解する機会があまり無く、漫然と日々の業務に忙殺されかねません。

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ここで、社長と承継者で経営デザインシートを作成してみましょう。シートは規定のA3用紙に、端的な言葉で現状と未来と、課題やリスクを記入します。

会社を熟知した社長が、承継者と一緒に考えて会社の現状を短い文章で記入することで、承継者は具体的に会社の現在の強みや弱みを把握できます。そこに10年後の会社のあるべき姿を一緒になって考えながら記入し、未来の会社をデザインします。

さらに現状を、描いた未来に到達させるには、実際にどんな克服すべき課題やリスクがあり、それらは自社の経営理念に合致しているのかどうか、実行可能かどうかを検討します。

これをお読みいただくと、簡単に作成できるような印象をお持ちになる方もいるかもしれませんが、実際には時間と手間のかかる作業となります。その時間と手間の分だけ、自社の現状と未来と課題、そして理念が見えてくることでしょう。

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これは一例であり、承継者がいないという課題に対しても有効です。御社も「経営デザインシート」を活用してみてはいかがでしょうか。

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