人事評価制度について

人事評価制度

近年、労働市場において人手不足が叫ばれて久しく、多くの企業において人材の獲得に苦慮されていることと存じます。巷では、飲食業を中心として「人出不足による廃業」も増加しています。

人出不足を解消する為には、新規雇用も重要ですが、現存する社員の歩留まりやパフォーマンスの上昇も必要不可欠となって参ります。

人事評価制度

人材の定着や育成において重要になってくるのが人事評価制度の確立です。

そこで、今回は人事評価基準を簡単にご紹介させて頂きます。

♥人事評価の種類

1 能力評価

文字通り職務遂行能力をどれだけ身に付けているかを評価するものです。

ここで注意が必要なのは、単に職務遂行能力と言っても、資格等級や役割によって求められる次元が異なることです。また、世間の評価とその会社や部署で求められる能力や知識も異なることにも注意が必要です。

人事評価制度

例えばTOEICで高得点を獲得したとしても、それを活かす土俵がなければその努力を評価する必要はありません。業務に関連した知識・技能が対象です。

2 情意評価

人事評価制度

職務を遂行していく上での取り組み姿勢や、勤務態度がどうであったかで評価するものです。

協調性、責任感、規律性、積極性等の項目で判断します。

人事評価制度

ただし、仕事に関係の無いこと(例えば飲み会に参加しない)等は排除する必要があります。

3 業績評価

業務目標や日常業務の達成度によって評価するものです。

ここでは、景気変動、他社の動向と言った外部条件や、本人の家庭環境といった事情は考慮せず、あくまでも業績のみを評価します。

4 コンピテンシー評価(行動特性評価)

1と2を組み合わせたような概念です。近年注目を集めています。

ハイパフォーマーの顕在化した能力や、行動特性などをサンプル化し、評価尺度を作成します。

ここで注意が必要なのは、ただ単に成功者の真似をした人を評価するのでは意味が無いと言うことです。例えば、優秀な営業マンが、1人何件電話を掛け、何件訪問し…と言った行動を取っていたとしても、それを真似たからと言って全ての営業マンが同じ結果を出せるとは限りません。あくまでも、問題やその場面ごとの状況に対し、どのように考え、どのように対処したかと言った行動に注目します。

ロールプレイングと言われる話法訓練等をしている企業は多々ありますが、ただ話法を真似ても無駄で、問題や状況を把握する能力を鍛えなければ結果は出ないでしょう。新卒時の面接において、「学生時代に努力したエピソード」を聞くのは、この評価基準の一種なのではないかと個人的には思います。

まとめ

以上、人事評価制度について簡単にご紹介いたしましたが、評価基準ごとに優劣があるわけではなく、企業がどのような人材を求めているかによって異なります。

上記の評価基準をうまく組み合わせ、会社が求める人物像を示すことが重要です。どのような方向で頑張れば処遇が上がるかがわかれば、自ずと行動も変わってくるはずです。

ただし、小さな会社においてはガチガチに制度化する必要はないでしょう。
人材は「人財」と言われるように、重要な経営資源です。

正しい方向に導き、育て、ハイパフォーマンスを上げる人財が増えることによって人材不足解消のみならず、業績の安定につながるでしょう。

参考文献/各務晶久著『人材採用・人事評価の教科書』

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