教育費について考える② 「積み立て」と「保険の活用」
「積み立て」と「保険の活用」
いざ「教育資金」を準備しようと思っても子どもの性別・個性・親の願いなど様々なプランが考えられるため、どこまで準備するか定まらず「とりあえず貯蓄をしておこう」という家庭も少なくないのではないでしょうか?
今回は、教育資金準備で一番馴染みのある「積み立て」と「保険の活用」について取り上げます。
1 いつまでに準備するか?
高校までの学費は、援助などがある場合を除き、家計の範囲内でまかなえるようにしましょう。無理をすると家計破綻・老後破綻の恐れがあります。教育費の中で一番負担となるのは大学の費用です。入学時に支払う〔入学金+半期の授業料〕分を入学前に準備できるようにしておきましょう。
2 どのように準備するか?
手段を選ぶ前に子どもの性別・進路によってかかる費用は違いますが、教育費を準備するにあたり考慮すべきポイントがあります。
◇ 保護者のライフプランや保障について確認しましょう!
保護者が生命保険に加入しているか、その保険金額がいくらなのかにより、教育資金の準備で選ぶべき商品・金額が大きく変わってきます。
◆ 保護者が生命保険に加入し、死亡保障が確保されている場合
⇒〔貯蓄重視〕:
保障を押さえ、教育資金作りに徹底
保障が十分なら、積立や投資信託などで準備を
◆ 保護者が生命保険に未加入または死亡保障が不足している場合
⇒〔保障重視〕:
低解約返戻金型終身保険や育英年金付き学資保険などで安心を
3 預金のメリット・デメリット
代表的な商品
● 自動積立定期(銀行)● 自動積立定額貯金(ゆうちょ銀行)● 一般財形貯蓄 など
♥ メリット 
◎ 元本割れのリスクは少ない。◎ 引き出しやすい。
♠ デメリット
△ 金利が低い。 △ 流用しやすく他の目的で使用してしまい、いざという時に足りない場合も。
4 保険のメリット・デメリット
代表的な商品
● 学資保険 ● 低解約返戻金型保険 など
♥ メリット
◎ 強制的に積み立てられる。
◎ 子どもの進学時期に合わせて資金の準備ができる。
◎ 親に万が一の事があっても計画通り教育資金を確保できる。
♠ デメリット
△ 保険料の払込期間中に解約した場合、元本割れするリスクが高い。特に低解約返戻金型は損失が大きくなる。
△ インフレに弱く、実質的な価値が目減りしてしまい教育費の増加に対応できない可能性がある。 △ 預け先が破綻した場合、払込保険料総額より少なくなる可能性がある。
◆ 現在は低金利であるため、利回りは期待できません。返戻率(払込額に対する受取額の割合)と、保障の内容をしっかり確認する事が大切です。
5 学資保険(こども保険)の活用
〈特徴〉
① 教育資金の準備と保護者の死亡保障を両立する生命保険です。(積立+保険料)
② 子どもの入園・入学に合わせて『満額保険金』 や『お祝い一時金(学資金)』が受け取れます。
③ 保険期間中に契約者である保護者が死亡や高度 障害になった場合でも、学資金は支払われます。 (保険料は免除されます。)
④ 保険期間中の子どもの保障として、医療保障や死亡保障・高度障害給付金など必要な保障が付帯できます。
6 低解約返戻金型保険の活用
〈特徴〉
① 保険料を払っている間の解約返戻金を少なくして保険料を安くした死亡保険です。払込期間終了後は払込保険料より解約返戻金が増えるので、子どもの進学前に払い込みを終え、その後に解約する事で、教育資金の準備ができます。
② 学資保険と違い受け取るタイミングを自由に決める事ができます。また一部解約も可能です。解約返戻金を教育資金として利用しない場合でも、解約せず保有すれば、さらに解約返戻率は高くなります。
③ 保険期間中に契約者である親が死亡や高度障害になった場合は、保険金を受け取り、契約は終了します。
◇ 払込期間をずらした複数の契約を持つ事で、元本割れのリスクを避けて支払いの必要なタイミングに合わせる方法もあります。
◆ ただし、保障期間が決まっている場合には、保障期間を過ぎると、返戻金はなくなりますので、契約時に確認が必要です。
まとめ
教育資金は、早めに準備する事が重要です。少額でもコツコツ積み立てましょう。給与天引き・自動振替にする事で、「気が付いたら貯まっていた」状態を作るのがポイントです。また、目的を明確にして管理をすることでさまざま運用方法が選択できるようになります。
1つの商品で全額用意するのではなく、保険・預金・投資を組み合わせ、家庭や経済環境の変化に対応できるようにしましょう。大学進学時以外にも、小中高の入学時など期間を合わせて用意できると安心です。
次回はインフレに対応できる投資性金融商品・ジュニアNISAの活用法など取り上げます。
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