家族信託を活用した相続対策その②

第306回 財産承継研究会

家族信託を活用した相続対策その②

講師
宮田総合法務事務所
所長・司法書士 宮田浩志氏

﹁家族・個人信託﹂を、利用し円滑な財産承継・管理をする事例を、紹介させて頂きます。

詳しい仕組みについては前月号をご参照ください。

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子供のいない夫婦のケース

長男であるXは、地主として先祖代々からの広大な土地と建物を所有している。

妻Yとの間に子供はおらず、Xは、自分の死亡後、妻Yに遺産は多く譲りたいが、妻Yの死後先祖代々からの資産が、妻Y側の親族に渡る事を憂いでいる。

Xは、妻Yの死後不動産は全てX家の血族である兄弟Zの家族に遺したいと希望している。

《解決策》

自分の死後、受託者を弟Zの子A(Xの甥)にその受益者を妻Y、妻Yの死後は残余財産の帰属先を弟Zに指定

《ポイント》

信託を利用しない場合だと、最終的にAに財産を承継させるには、妻Yがその旨の遺言書を作成する必要があるが、Zと家族信託の契約をすれば、無事財産を継承出来る。

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高齢の資産家が認知症のリスクを踏まえ相続対策したいケース

地主Xは、多くの土地を所有している。

これまで特に相続税対策をしてこなかったXは、このまま死亡すると数億円単位の相続税の納付が発生してしまう。

Xの推定相続人は、長男A、長女B、次女Cの3人で、円満な兄弟関係である。

長女Bと次女Cは、嫁いでいるので多くの土地については、長男家族が最終的に相続する事で全員が、納得している。

Xは自身の年齢を考え早急な相続税対策を検討したいと思っている。しかし相続税対策の途中X自身の判断力が低下してしまう事を危惧している。

《解決策》

Xは、受託者を長男A、受益者をX本人、長男Aが資産を散逸しないよう予め契約の中で司法書士を、信託監督人として設定する。信託財産以外の財産については、帰属先を長女Bと次女Cに相続させる旨の遺言書を別途作成した。

《ポイント》

信託契約により、万一Xが認知症等判断能力が低下しても、長男Aが信託財産の管理・運用が出来る。

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「家族・個人信託」は、信託銀行や信託会社に資産を預けるのではなく、「家族」が、財産を管理する、誰でも気軽に利用出来る、「実は」簡単な仕組みです。

生前の財産管理の手段として、制約と負担の多い「成年後見制度」の代替手段となり、不動産売却・買換え、借入を活用したアパート建設等の実行が、不動産所有者である親が判断能力を喪失した後でも、相続発生の直前まで可能となり、一般の高齢者・障がい者のための財産管理手法として、気軽に利用できる制度になっています。

 

 

♥ 次回の財産承継研究会の開催日 ♥

2014年9月26日(金) 18時30分~20時30分

☎044-811-1211(石井・駒まで)

お申し込みは こちら

 


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