増税ラッシュがやってくるか

年末年始は税の シーズン

毎年年末になると予算の編成に絡んで税制改正の話が出てくる。税制改正は夏ごろから始まる。

私が常議員をしている川崎商工会議所でも6月から8月にかけて、来年度の税制改正要望書を作り、政府、政党の要所に要望書を出している。

日本商工会議所ではさ らに絞り込み一本化して商工会議所としての要望書を政府に提出している。 政府は各界から出てきた要望書の内容を政府の方針と摺合せをし、政府税制調査会答申、税制改正大綱等の手続きを経て税制改正法律案、政府予算案を作り国会で予算や法律を成立させるのである。

アベノミクスの 一丁目一番地は財政再建

安倍政権は「財政再建」の目標として2020年プライマリーバランスを取り戻すことを掲げている。これには①税収を増やすか②支出を削減するか③財産を処分するかの三つがある。このうち税収を増やすには①増税をする②経済を成長させ税収の自然増を図る、の二つである。

現在日本の財政はGDP比で見れば世界最悪の状況で、ギリシャ以上であり、第二次大戦の敗戦直後の状態さえも超えているのである。財政再建をするには増税するしかないが、消費税の増税余力がまだあると海外では見ていて、いつ起きても おかしくはないギリシャのような財政破綻はまだ起きていない。支出削減による財政均衡は、戦後の「ドッジライン」の記憶や、近くはIMFの管理下に入った韓国の例もあり「財政緊縮」を国民に納得させることが難しいであろう。

したがって増税以外にはないが、増税は 20 年続いているデフレをさらに加速することとなるため、アベノミクスでは緩やかな増税に合わせて経済再建、デフレ脱却を最優先課題としているのである。

増税ラッシュは これからが本番

財政再建の基本は増税である。この増税路線はすでに始まっていて、相続税については昨年の法律改正で平成 27 年からの増税が決まっている。消費税も今年の4月から増税されることが決まった。今年の税制改正による増税は所得税の増税が中心になっている。

しかしこれは序の口で、本格的な増税には程遠い。フランスでは現在のオランド大統領が財政再建のために所得税の最高税率を 75 %に引き上げたのに端を発し、著名人の国外移住が多発して話題になった。イタリアでは預貯金の残高にたいして預金税というべきものを課税したり、犬や猫に まで課税してトピックニュースに取り上げられている。

日本では終戦直後の財政再建には最高税率 90 %の財産税(一回限り)や富裕税が課税されたり、 所得税・住民税の最高税率が 93 %の時代が長く続 いた。平成3年から 10 年 にかけて地価税が課税されたが、廃止されたわけではなく一時停止されているだけであり、いつ復活してもおかしくはない。

消費税もヨーロッパ並みを覚悟しておく必要があり、日本の財政状況を考えれば増税ラッシュがいつ始まってもおかしく はないのである。

「税は社会を変える」

増税ラッシュを誰も望む者はいない。アベノミクスで取り組んでいる成長戦略がぜひとも成功して欲しいと願っているし、先月号にも書いたがこれを凝視しているのである。

「税は社会を変える」 という。共産主義体制が崩壊し、資本主義経済が全世界に普及し、いわゆるグローバル社会に入り、かつ、長寿社会の到来と いう平和の配当を享受できるようになったにもかかわらず、共産主義との対立時代にできた税制がそのまま残っているのである。

デフレはこの世界の社会構造が激変している中で起こっているのである。デフレ脱却を図るにはアベノミクスの成長戦略の中に、民間活力を引き出して長寿社会に適合した循環型社会へ導くよう なグローバル社会、長寿社会に適合した税制への抜本的な見直しを是非取り入れてほしいと願っているものである。

税理士法人LRパートナーズ 代表社員 小川 湧三

 


神奈川県川崎市で税理士をお探しなら

LR小川会計グループ

経営者のパートナーとして中小企業の皆さまをサポートします


お問い合わせ


 

前の記事

2014年を迎えて

次の記事

確定申告の季節です