家族信託と贈与・相続・遺言

第290回 財産承継研究会
家族信託と贈与・相続・遺言

講師:株式会社ノースアイランド
CFP・税理士 嶋 敬介 氏

家族信託と贈与・相続・遺言

「信託」とは、一般的には「信頼して第三者に委託すること」を意味しますが、法律的には財産管理制度の1つとして、ある人(委託者)が信託行為(信託契約・遺言等)によって信頼できる人(受託者)に対して財産を移転し、一定の目的(信託目的)にそって誰か(受益者)のためにその財産(信託財産)を管理・処分する法律関係を指します。

信託の目的は、自分では財産の管理や処分を直接行うことができないことを想定した委託者が、信頼する受託者に託すことができ、自分の希望する財産管理方法等を指定できるなど、委託者の希望や意思を最大限生かせる手段にあります。

この点においては、「後見」「代理」などの財産管理制度にはない「柔軟性」「幅広い選択肢」があると言えます。

営利を目的とする「商事信託」(信託報酬を得るために受託者が営業として行う信託)に対して、営利を目的としない信託を「民事信託」といいます。

アメリカでは、民事信託は昔から一般的でしたが、日本では平成19年に新信託法の施行により、家族間での信託が可能となりました。

信託の有効利用できるケースは多岐にわたりますが、中でも「財産管理を託せる人がいない」、「老後の安心設計のため」、「高齢な配偶者のため」、「障害をもった子のため」といったニーズに対応する信託スキームがあります。これらを「福祉型信託」「家族信託」といいます。

「家族信託」は、所有者(委託者)が、将来を託せる人(家族受託者)に資産(全部または一部)を預けて、権利を委譲することをいいます。預ける条件や期間は委託者が指定できます。形を変えた家督相続・生前贈与と言え、法務局への登記も行うので、法的にも守られます。法人が受託者になることも可能であり、また、受託者の監視・監督人を選任することによって、安心した信託が履行できます。

遺言書は遺言者の意思であり、必ずしも遺言書通りになるとは限りません。

生前贈与は指定した人へ財産を移転できますが、贈与税の負担があり実行が難しいです。信託なら、将来にわたり現実的かつ合理的な指定ができ、贈与税・不動産取得税がかからずに財産を移転することが可能な場合もあります。

後見人制度は、財産の保守管理が目的ですが、信託は目的に反しない範囲で受託者が自由に建替えも売却もできることが特徴です。

また、信託した財産は委託者から離れる独立した財産となりますので、差し押さえの財産からは対象外となっております。
「家族信託」は信託の最大の特徴である多様性・柔軟性から、さまざまな場面での利用の可能性が考えられますが、委託者は、法務・実務・税務面から明確化できる範囲で信託の設定をする必要があります。

弁護士、税理士等専門家のサポートを得て慎重に検討しなければなりません。

 

♥ 次回の財産承継研究会の開催日 ♥

2013年1月25日(金) 18時30分~20時30分

☎044-811-1211(石井・駒まで)

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