経費削減
実は数年前に経費削減ということで、社員の外部研修参加を抑えたことがあります。今ではこの判断は間違っていたと思っています。
社員に問題意識を共有してもらいたいと思っても、研修等で直接自分の耳で聞くのと、私から間接的に聞くのとでは、社員の感じ方に大きな差があり、意識のギャップが生じていると感じたからです。
会社の経営改善で経費削減、経費圧縮という言葉を聞 きます。確かに経費を抑えるとその分利益が大きくなります。しかし、一律に経費を抑えればいいというものではありません。
なぜなら、この経費が会社の利益を生み出す資源だからです。従って、経費を削減していく場合にも優先順位をつけて見直しをしていく必要があります。
実は経費は、3つに分けて考えられます。まず、現在の利益を生み出すためにかかっている経費。次に、将来の利益を生み出すためにかかっている経費。そして最後に、過去の利益は生み出したが、現在及び将来の利益には貢献していない経費。
経費を削るとしたら、まずこの3番目の経費でしょう。では次に削るのは、将来の利益を生み出すための経費でしょうか?私は今の時期こそ将来の利益を生み出すための経費は可能な限り削るべきではないと思っています。
将来のための投資をしないことは、縮小するマーケットに身を委ねることになり、現状を維持することすらできなくなると考えるからです。限られた経営資源の中で新たに将来の利益を生むための投資をすることは今の厳しい状況の中では難しいかもしれません。
そうであるとすれば、今かかっている過去の利益のための経費を未来の利益を生み出すための経費に転化していくことが一番の近道なのではないかと思います。
株式会社LR小川会計 代表取締役 社長 小川 泰延
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