子から親にできる事 介護には早いけれど…
【 はじめに・・・ 】
今まで様々な面から親の援助を受けてきた子育て世代。親はいつまでも健康で頼りになる存在と思いがちですが、加齢と共に支えが必要になってくるのは自然な事です。
いつでも頼られる存在でいるよう、日頃から何ができるか一緒に考えていきましょう。
【 生活スタイルの変化 】
近年、結婚後は別居するものの、親と同じ敷地に住んだり、親から1時間以内に住むいわゆる「近居」が増えています。
どの家庭でも「近居」が可能なわけではありませんが、親世代・子世代それぞれが、適度な距離感とプライバシーを保ちながらも必要があれば助け合い、機会があるごとに一緒に食事や旅行・行楽を楽しみ、家族とのつながりを大切にしているようです。
夢や思いを伝えあえる関係を築くことができるといいですね。
【 エンディングノートのすすめ】
親の希望が知りたいからとはいえ、子どもが財産や介護の話をするのは、抵抗があるかもしれません。
市販されているエンディングノートは、遺言書のような法的効力はありませんが、当人の思いを伝えるツールとして注目されだしています。親世代・子世代ともに元気なうちに整理しておくとよいですね。
記入内容は…
◇財産の内訳
預貯金・貸金庫の利用・証券・不動産等
◇加入保険
◇介護・医療
・介護が必要になった時に誰に看てほしいか
・重病になったら告知を希望するか
・認知症になったときの後見人・財産管理
・医療・介護費用はどのように賄うのか
◇どのような葬儀を希望するか
◇家族やお世話になった人へのメッセージ 等
【 判断力が落ちてきて心配な時は・・・ 】
◆ [ 日常生活自立支援事業 ] を利用する
親が遠方にいる場合などに利用したいのが、日常生活自立支援事業です。 高齢者などの権利を守り、自立生活ができるよう支援する制度で、以下のようなサービス があります。
◇福祉サービス利用手続き援助
◇日常の金銭管理サービス
◇書類などの預り
利用するには最寄の社会福祉協議会に相談しましょう。
相談は無料。サービスは有料ですが、平均で1回1,200円程度となっています。
〔問合せ〕 全国社会福祉協議会 03-3581-4655(地域福祉部)
◆ [ 成年後見制度 ] を利用する
成年後見制度とは、判断力の不十分な成年者を保護したり援助する制度です。
法定後見制度:
既に認知症になっている高齢者の為に家族などが家庭裁判所に申し立て法定後見人を選任して財産管理を行うものです。
任意後見制度:
元気で判断力のあるうちに、自分で信頼できる後見人を選び、自分が認知症になってしまった場合の財産の管理や介護の手配を頼むという後見制度です。家族がなる他、弁護士や司法書士などに依頼するケースも増えています。
資産が多い場合・相続で親族間のトラブルが予想される場合などは、弁護士など専門家に頼む方がよい場合もあります。
〔問合せ〕 各都道府県の「弁護士会」・「司法書士会」・「社会福祉会」
各市町村の「権利擁護センター」「成年後見センター」など
【 介護に対する不安の中身は・・・?】
最近では晩婚化が進み、子育てと介護が重なる家庭も少なくないようです。介護は突然始まります。「まさか自分が介護するとは・・・」「なにから手をつけたらよいか・・・」と途方にくれるのも当然です。
介護に対する不安の内容として多いのは、「家族の肉体的・精神的負担が大きい事」「公的介護保険が当てにならない事」「家族の経済的負担」「介護サービスの費用がわからない事」が挙げられます。
*生命保険文化センター「平成19年度生活保障に関する調査」による
身体的・精神的な不安に対しては、1人で抱え込まないことが大切なようです。あらゆるサービス・ネットワークの活用を。
経済的な負担に対しては、病状・家庭の状況・親の年金額や資産により様々ですが、介護によって家計を破綻させない為には、親の資産状況を知り、最も重い費用負担を想定しできるだけ早いうちから準備する事がポイントとなります。
次回、介護保険や介護費用についてお話してきます。
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