人事データ把握のすすめ

人口の減少が進み、仕事の現場では人手不足が常態となってきている感があります。失業率は、ほぼ完全雇用の段階にまで達しており、国の政策も今年4月から失業者を減らすための「雇用対策」から労働力を作り出すための「労働力創出」へ、完全にシフトしています。

現状、自社人員構成がどのような状況にあり、人手不足解消のためには何をすべきなのか、また将来人手不足にならないようにどの程度人を雇い入れておくべきなのかといった判断のためには、社内の人材の状況を数値化して把握する必要があります。

大企業による人材争奪戦は、2019年度新卒でいったん落ち着き、今後数年はこれまでより比較的人材確保が容易になるとされていますので、先を見据えて人材を揃えるのに適した時機といえます。

そこで専門的な統計の知識がなくとも扱うことができ、役立つ指標をいくつかご紹介します。

1 平均勤続年数

求め方:勤続年数の合計÷社員数

2 退職率(自己都合)

求め方:直近1年の自己都合退職者÷在籍者数

この数字を2つ組み合わせることである程度、会社の人材定着のパターンが読み取れます。

勤続年数が長く、退職率が低い場合は、言うまでもなく、安定した状況といえます。

勤続年数が長く、退職率が高い場合は、一部の社員は長く勤めますが、大半は早期に退職しているパターンです。

勤続年数が短く、退職率も高い場合は、定着が進まず人員的に不安定な状況にあるといえます。勤続年数は一概に長い方が良いとも言えず、退職率も業種によって平均が異なりますが、業界平均に達していない場合は、持続可能性に問題ありと言えます。

3 平均年齢

求め方:社員の年齢合計÷社員数

求め方は説明するまでもないですが、重要な指標になります。部門ごとに計算することにより高齢化率がわかり、これをノウハウ・技能の継承に支障がないかの判断に使います。高年齢者の活躍も期待され基準も変わってくるかと思いますが、一般に45歳を超えていると通常の新陳代謝ができておらず何らかの対策が必要といわれます。

以上、簡単なご紹介でしたが、自社の現状を把握するきっかけとして集計してみてはいかがでしょうか。


参考文献/人事のデータ分析 林明文 他 著

 

 

 

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