アジアに羽ばたけ日本企業

会長日経アジア300指数

日本経済新聞社は活気にあふれるアジアの企業や市場の動きを世界の投資家や読者にわかりやすく伝えられるように昨年12月1日から「日経アジア300指数」を公表することとした。

私が1988年に初めてアジア視察旅行として日本経済新聞社の「第一回日経アセアン投資視察」に参加してタイ(バンコク)、マレーシア(クアランプール)、シンガポール、インドネシア(ジャカルタ)を訪問以来20数年、ようやくアジアのマーケットがグローバル市場として認知されたという事であろう。

以来発展するアジアの発展をウォッチする海外視察に出かけてから大小、公私合わせて40回以上中国各地や東南アジアの諸国へ行った。

アジアの諸都市は当初の面影は消えて高層ビルが立ち並び連担とした市街を形成し素晴らしい都市となっている。

アジアに進出する中小企業

中小企業のアジア進出に関しては1994年に太田晴雄氏のベトナム投資視察に参加し、以後ホーチミン市のタントワン工業団地への進出したいお客さまに同行などを通して東南アジアの変遷を見てきた。

一昨年3月ベトナム・ホーチミンへ視察に訪れた時、その時の一社(現ユニカ・ベトナム社)が大成功しており、自社の進出モデルをベトナム政府へ提言し国家レベルでの日本中小企業のベトナム進出モデルとして「ビーパン・テクノ・パーク」の運営を始めていた。

「ビーパン・テクノ・パーク」はマネジメント機能付レンタル工場を含む日系中小企業専用工業団地であり、進出に当たり、立上げ初期時のリスクを軽減するために現地法人を作らなくとも、事業立ち上げを支援できる仕組みを作っていた。

また、大田区の中小企業はベトナム進出の手法を使ってタイのチョンブリ県アマタナコーン工業団地に中小企業向けアパート形式賃貸工場へ進出しており、第一期は8ユニット、現在、第三期は25ユニットまで拡大してきている。着実に進出企業は増えており、他の地域の中小企業に参考になるのではないかと思うのである。

川崎市でも現在、NPO法人アジア起業家村推進機構などと連携してベトナムのバリア・ブンタウ州のダバク工業団地への中小企業の進出を支援し、進出を果たした企業も出てきている。

拡がるネットワーク

今までは製造業中心の海外進出が多かったが、つい最近香港・シンガポール・台湾へ店舗展開している「QBハウス」を経営しているキュービーネット株式会社の北野泰男社長のお話を聞く機会があった。

「QBハウス」は今ではすっかり現地に定着し日本ブランドの会社としてより当たり前のように現地の人たちに利用されているとのことであった。

決め手は海外担当者をローテーション派遣ではなく片道切符の派遣であったことが成功要因だったとのことである。外国語が出来なくともコミュニケーション能力があれば自然に言葉は身に付くとのことであった。

もう一つ、中国はじめヤンゴン、シンガポール、タイ、香港、等に進出している中小企業の若い経営者たちが華僑にならって「和僑」と称して和僑会を結成し、海外進出に伴う情報交換やビジネスネットワーク構築が進んでいる。

海外の日本人商工会やJETROなどの既存の組織とは異なり、自由で緩やかな組織ではあるが、海外進出しようとしている人たちには是非関心を持っていただきたい組織ではないかと思う。

アジアにはばたく中小企業

熟成期を迎えたアジアに羽ばたく日本企業TPP(環太平洋経済連携協定)、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)などアジアは今巨大な貿易圏に生まれ変わろうとしている。このような時に、アジアに進出している1800社以上の日本企業を取材し、アジア進出状況の調査とその経営分析をライフワークとしている増田辰弘さまから著書「熟成期を迎えたアジアに羽ばたく日本企業」を頂いた。

アジアで活躍する日本企業を紹介し、かつ、アジア進出を図る上でのいろいろな注意事項ノウハウなどを含めて紹介している。

中小企業の経営者の方々は東南アジアは既に日帰り圏、東京―大阪・九州・北海道の延長上に考えて東南アジアに目を向け是非ご一読を。

 

税理士法人LRパートナーズ
代表社員 小川 湧三


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