資産運用の基本 その3 時間分散・長期保有の効果
【 はじめに・・・ 】
投資の買い時・売り時を見極めて実行する事は、とても難しい事です。
一定の効果を得ながら、私達一般投資家にもできる投資方法はないのでしょうか?
資産形成をしていく上で有効な「時間分散の効果」「長期『積立投資』の効果」についてお話していきます。
【 定時定額購入のススメ 】
投資で一番良いのは「安く買って高く売る」事です。
でもそれができれば苦労はありません。値段が下がっている時は「もっと下がるのではないか・・・」と不安になり手が出せず、逆に上がっている時は「もっと上がるのでは↗」と欲が出て売れない。ありがちな投資家の心理です。
日々の値動きに左右されず投資するには、毎月決まった日に決まった額を購入する定時定額購入がお勧めです。
毎月一定額を購入すると、相場の波に応じて、高い時には少ない口数を、低い時には多いい口数を購入する事になり、結果的に平均購入単価が引き下げられます。
この方法を【ドルコスト平均法】と言い、投資信託のように、値動きのある商品に対して効果が高くなります。
〔ドルコスト平均法の仕組み〕
【 時間分散・積立投資の効果 】
◇ どんなメリットがあるか?
① 1回あたり数千円~数万円と比較的少額で始められる。
② ドルコスト平均法により平均購入単価が引き下げられる。
③ 1回あたりの金額は少額でも、長期にわたり継続する事で計画的に将来まとまった資産を形成する事ができる。
……精神的メリット……
④ 下がっても気にならない。
→ 下がれば安く購入できる。
⑤ 下がった後に戻ればリターンが得られる。
→ 平均購入単 価が下がるので、損からの回復が早い。
⑥ 上がっても下がってもストレスが抑えられる。
→ 上がれば資産価値が上がり、下がれば安く購入できる。
⑦ 始めるタイミングに悩まない。
→ 高値買いや、上昇相場での乗り遅れを悩まなくてよい。
⑧ 予測しなくて良い。
→ 上がっても下がってもメリットが。だから悩む必要なし。
◇ どんなデメリットがあるか?
① 株価が一方的な方向に動く場合は、損となる。
➚最初に買えば利益が出る
➘最初買わない方が利益が出る
② 高値掴みはしないが、底値で買うこともできない。
③ 短期的に損失となる場合も。
→ 短期投資には向かない。
【 まとめ 】
60歳で定年になり、退職金を金融機関の言われるがままにどーんと投資するのではなく、運用すると決めた金額の中から定時定額購入で少しずつ資産の分散を進めていきましょう。
早く始めれば運用期間が長く取れ、リスクの平準化が図れます。
積立投資(ドルコスト平均法)は、収益アップの手段というよりも、相場の変動に惑わされず、一喜一憂せず、『淡々と長期投資を続ける事により資産を形成する』ための体勢づくりに適していると言えるでしょう。
平均寿命は男性79.6歳・女性86.3歳です。60歳から始めても20~30年間運用する時間があるのです。ただ貯金を取り崩すだけでなく、一部のお金に働いてもらいながら、それを使っていく。その為には、60歳・70歳からでも、定時定額投資は有効な手段ではないでしょうか?
次回は、どんな商品で運用すれば良いか?商品を選ぶ際の注意点などについてお話します。
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