シニアの住まい
クローバー通信 No.196

ライフプランを考える上で、どこでどのように暮らすかはとても重要な要素です。
元気な時だけでなく、介護が必要になった場合にどのような選択肢があるのか、選ぶ際の注意点など、今回は主に民間事業者が営むシニア向けの住まいについて取り上げます。
1 自宅で暮らす
「住み慣れた我が家でできる限り過ごしたい」多くの高齢者の望みではないでしょうか。しかし、要介護・要医療となっても自宅で暮らすためには、バリアフリー対応など住環境の整備や、介護を行う家族の助け、経済的な備えが必要です。
⒈ リフォームする
玄関の段差、浴室やトイレ、寒さへの対策など、気になる所のリフォームが必要になってきます。2階建てを平屋にするなど、減築という選択肢もありますが、体力のあるうちでないとできません。住み慣れた自宅は、地域での人間関係が途切れない反面、庭の管理やセキュリティ面での心配は続きます。また立地により、車を運転しなくなる事による不便さや、将来的に売却が難しい可能性も残ります。
2. 住みやすい住宅にダウンサイジング
シニアの住み替えで最近増えているのが、子どもが独立した戸建て住宅から、間取りのシンプルでコンパクトなマンションに移るケースです。鍵の施錠・掃除の手間・庭の管理などの負担が減る、利便性の高い場所を選ぶ事で、車が不要になったり、後々相続や施設に入ることになっても、売却しやすいなどのメリットもあります。
反面、ご近所付き合いを一から始めなければならない、集合住宅に慣れていないと隣の生活音が気になる、などのデメリットもあります。また、築年数の経っている物件の購入を検討する場合は、管理組合の修繕積立金が十分であるかなど、事前に確認したほうが良いでしょう。
2 シニア向け住宅への住み替え自立~軽度の要介護
まだまだ元気でも、いざという時に安心して暮らせるよう、シニア向けの住宅で自立した生活を営むという選択肢があります。
⑴ シニア向け分譲マンションを購入する
高齢者が利用しやすいようバリアフリー対応で、コンシェルジュや、様々な生活支援サービスが整っている分譲住宅です。クリニックやスポーツジムなど付属設備を併設している事も多く、他の入居者と交流の機会があります。
所有権を持ち、売却やリフォームも自由、賃貸物件として貸すこともできます。
注意点:将来的に介護付き有料老人ホームなどへの住み替えを視野に入れた場合、思うように売却できない可能性や、売却代金が購入費を下回る可能性もあるので、立地条件や築年数などを十分に検討する必要があります。
⑵ サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)に入居する(一般型)
バリアフリー対応の賃貸住宅で、サ高住と呼ばれます。安否確認や生活相談が義務付けられており、日中は生活相談員が常駐し、他にも様々な生活支援サービスを受けることができます。
多くは賃貸契約で、合わなければ次の住み替えを検討できます。
⑶ 住宅型有料老人ホームに入居する
施設スタッフによる生活支援・見守りサービスを受ける事ができます。一般的に入居費は高く、多くの場合、初期費用と月額利用料が必要になります。
◆ ⑴ ~ ⑶ に共通
介護が必要な場合は、訪問介護など外部の介護サービスと個別に契約が必要です。要介護度が高くなると月々の負担は重くなる事に加え、介護度が高くなると、退居しなければならない場合もあります。
3 介護サービスがついている施設自立~要介護
⑷ 介護付き有料老人ホーム
都道府県の指定(認可)を受けており、24時間介護スタッフが常駐し、掃除や洗濯など身の回りの世話や、食事や入浴、排せつなどの介助サービスの他、レクリエーションやサークル活動、機能訓練などの様々なサービスが受けられます。
入居時に一時金を支払うケースが多く、費用・施設・サービス内容は様々。
入居条件で、認知症や介護度が重い場合だと入れない施設もあるため、入居を検討する際は、よく調べて、見学した上で選びましょう。
⑸ サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)(介護型)
サ高住の中で、厚生労働省の定める特定施設の指定をうけている介護型もあります。⑷の介護付き有料老人ホームと同様のサービスが受けられますが、サ高住全体の8%程度にとどまっています。

まとめ
この他にも、ケアハウスや認知症のグループホーム、要介護3以上の場合は、特別養護老人ホームという選択肢もあります。
今回紹介したなかでも様々な形態があり、施設ごとに入居条件・費用・サービスの種類も異なります。終の棲家と思っても、介護度が上がってしまい、さらなる転居を余儀なくされることもあります。自分が望むサービスを受けられるか、老後資金で賄えるか、しっかりと調べて選択しましょう。
それぞれの家族・家庭の状況にもよりますが、介護は親の問題でもあり、自分の問題でもあります。心と体と金銭面の負担のバランスを取り、家族で対応するだけでなく、外部のサービスを上手に利用しましょう。
介護が必要になってから考えるのではなく、60歳になる前から、ライフプランの一部として考えていく事をお勧めします。
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