費用対効果
人類史上最悪のウイルス

1月28日の産経新聞に「新型コロナ:人類史上、最悪のウイルス」「世界1億人、収束見えず」という記事が載っていた。「結核・SARS上回る」とも書かれていた。
今回のコロナウイルスは、昨年コロナが流行し始めたとき、ヨーロッパ各国の首脳がコロナ戦争の始まりと言っていたように、わが日本とはコロナに取り組む覚悟が違っていた。
昨年、第1回目の緊急事態宣言、学校の一斉休校が出された後、政府はどのような対応をとったのか。国民に行動抑制を求め「ステイホーム作戦」を求め、人の動きを止めて、ただひたすら感染拡大を防ぐのに精一杯であった。
「日本は神の国、大事にならずによかった」「日本人はファクターXを持っている」「やれやれ何とか収まってよかった」と安堵してしまって、コロナを発症前に見つけ出し、コロナとの戦いを準備すること、すなわち、PCR検査を徹底して行って、発症前の感染者を見つけ出す戦略は採らなかった。
西村大臣、田村大臣の発言
鳥インフルエンザでは、一羽でもインフルエンザに感染すれば、感染可能性のある鶏を一羽残らず「予防的殺処分」を行って、徹底的に「ゼロウイルス」「ウイルスゼロ作戦」をとっているのに、史上最悪のコロナウイルスに対しては、コロナを徹底的に見つけ出し、排除しようとしないのを、不思議に思っていた。
なぜ、コロナを見つける唯一の手段方法である発症前の予防的PCR検査を徹底して行わないのか長い間疑問であったが、2月2日テレビで、西村大臣、田村大臣は予防的PCR検査を実施しない理由を一視聴者の質問に答える形で「費用対効果」により実施しないといっていた。
発言要旨「検査はやればやるほどいいと思います。ただ税金で行う以上費用対効果の問題がある。国家体制が違うから中国のように強制して一斉に行うことはできない。すると費用対効果はあまりよくない」という答えを聞いて、長い間の疑問が氷解した。と同時にこれでは政府にコロナを収束させるという強い意思はないと思わざるを得ず、コロナ収束は長引くであろうと感じた。
人の命を費用対効果で図る
武漢日記(著者方方)の中にこんな記述がある。2月20日:p.117
『本心を言えば、わたくし(向欣然先生)は死をそれほど恐れてはいません。わたくしはすでに中国人の平均寿命を超えており、自然な死が遅かれ早かれやってくるでしょう。しかし、感染症のために死ぬのは、まさに「他殺」と同じです。わたくしはとても受け入れられません!』
コロナで死ぬのは大きな権力の無策に殺されると感じているのではないだろうか。
我が日本の政府は鳥インフルエンザには徹底した対策をとっているのに、コロナウイルスには何の対策も取っていない。
しかし、令和2年度の補正予算は第1次、第2次、第3次合わせて70兆円のコロナ対策費を出しているのに、どこを見て「費用対効果」といえるのだろうか。
大事なのは経済だ・馬鹿者!
これはクリントン元アメリカ大統領が言ったといわれる名言である。
経済は人の動きによって発展してきた。経済のグローバル化は人が世界単位での動きによる。コロナはその人の動きを止めてしまったのである。経済を回復するには人の動きを活発にしなければならない。コロナを徹底的に見つけ出し感染者を早期に発見し、軽症のうちに隔離・治療することが肝要である。人の命を守る唯一の方法は発症前感染者を徹底的に見つけ隔離するしかないのである。ワクチンはその後だ。
武漢日記の中を見てみよう。
2月3日の記述から:p.47
『彼(友人の医師)は断言した。「入院すべき患者を全員入院させ、隔離すべき患者を全員隔離させなければ、この感染症は制御できない」結局のところ、これが唯一の方法だ。現在までの一連の措置から見ると、政府もついにこういう考えに至ったらしい。』
その後、2月24日に仮設病院使用開始、さらに2月21日の記述。
『武漢の街全体に網をかけるやり方で、全面的な検査を進めることはとても重要だ。このやり方で、すべての感染確認者、疑似感染者、発熱者、濃厚接触者の四分類を探し出す。だが、たった三日間でできるだろうか?これは極めて現実的な問題だ。』『武漢市はさらに十九の仮設病院を作るという。』(2月22日)
武漢市は4月8日感染者ゼロを確認した後、都市封鎖を解除した。
税理士法人LRパートナーズ
代表社員 小川 湧三

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