金融機関の対応(住宅ローン・保険)

クローバー通信 No.180
【新型コロナウイルス】
金融機関の対応(住宅ローン・保険)

新型コロナウイルスの家計への影響は大きく、雇用の継続が難しいまたは休業を迫られるケース、雇用が守られたとしても、収入減やボーナスが見込めないなどが予想されます。光熱費や食費などの生活費の見直しだけでは対応できない場合もあります。

今回は、住宅ローン、保険料に関する金融機関の対応や、特例措置を見ていきましょう。

1 住宅ローン

ローン

家計支出において三大出費のひとつの住宅ローン。収入の減少があった場合は、家計への負担が大きく影響してきます。

まずすべき事は、延滞する前に、借入先の金融機関へ相談する事です。

金融機関は、借り手の収入減などの背景をよく聞いたうえで、状況に応じた返済条件の見直しを行う事が義務付けられています。

相談なく延滞した場合「個人信用情報」に傷がつきます!

遅延損害金が発生する可能性
クレジットカードや各種ローンなどの利用ができなくなる可能性
・優遇金利で借り入れしている場合、適用金利が引き上げられる可能性など


参考:住宅金融支援機構の返済特例要件(①~③全てあてはまる必要あり)

① 経済事情や病気などの事情により、返済が困難になっている
② 以下の収入条件のいずれかを満たす
 ⑴ 年収が年間総返済額の4倍以下
 ⑵ 月収が世帯人数×64,000円以下
 ⑶ 収入減少割合が20%以上で、民間も含むすべての住宅ローンの年間総返済額の年収に対する負担割合が、一定割合以上
(年収300万円未満30%、~400万円35%、~700万円40%、700万円以上45%以上)
③ 返済方法の変更により、今後の返済を継続できる


住宅金融支援機構(フラット35)利用の場合も、一般の住宅ローンでも窓口は金融機関です。

返済が困難な場合の対応については、以下のような選択肢があります。

1 一定期間の返済額減額

返済額よりまず利息を支払い、残りを元本返済に充当する。

2 一定期間の元本返済据え置き(利息のみ支払い)

元本返済は据え置いても残高に対する利息は支払う。
※12共通して、ローン残高の減少ペースは落ち、期間終了後の返済額および総返済額は増加します。

3 ボーナス返済の見直し

返済の見直し

⑴ボーナス返済時期の変更
⑵毎月分・ボーナス返済分の内訳変更
⑶ボーナス返済の取りやめ
※ボーナス返済分を毎月返済でカバーする必要があるため、毎月返済額が増加します。

4 返済期間の延長による、毎月返済額の引き下げ

※毎月返済額は減り、毎月の家計の負担は軽減されるものの、期間延長による利息負担額は増加するため、総返済額は増加します。

家計にゆとりが出てきたら、繰り上げ返済や一度延長した返済期間の短縮などをして、総返済額を減少させるよう心がけましょう。


今後住宅の購入を予定している方へ

住宅ローン契約を考える場合も、借入可能額ではなく返済可能額を基に物件を選ぶ事、不確定要素の大きいボーナス返済をできるだけ少なくする事などを考慮し、余裕を持った返済計画をたてましょう。


2 保険料

保険料の払い込み猶予(特例措置)

生命保険・損害保険では通常保険料の払い込み猶予期間は1カ月となっていますが、特例措置として各社は、契約者からの申し出により、保険料の払い込み期間を9月末まで猶予する方針を打ち出しています。一部保険会社では受付期間を設けています。収束期間が長期にわたる可能性もあるので、確認しましょう。

契約者貸付制度

解約返戻金がある保険の場合には、解約返戻金の一定割合を借りることができる制度です。払い込み猶予期間が終わっても保険料が払えない場合は、解約返戻金が担保となって自動振替貸付により保険料が支払われます。その間に支払事由が起こった場合には、借りた元本・利息を差し引いた保険金を受け取ることができます。

◆その他◆

みなし入院(特例措置)

新型コロナウィルス感染の場合、自宅やホテルで療養しても、医師の診断書などがあれば入院したとみなして保険金が支払われます。

感染者の死亡保険金割り増し(特約)

災害時割り増し特約を付けている場合が対象となります。
ホームページなどで契約している保険会社の情報を確認しましょう。

保険見直しのチェックポイント

生命保険の場合

・本当に必要な保障は準備できているか?
・本当に必要な特約か?
・同じような保障が重複していないか?

死亡保障・医療保障など本当に必要な保障は主契約で保有しましょう。特約の場合は主契約が消滅したり、解約したりすると特約も消滅してしまいます。

具体的に見直すには、自分の家族構成やライフプランにはどんな保障が必要か、将来貰える年金はいくらか、日常の生活費などを踏まえて必要保障額を算出し保険金額を決めていきます。

実は保険が必要でないケースや、他の金融商品を利用した方がよいケースもあります。気になる場合はファイナンシャルプランナーにご相談ください。

損害保険の場合

火災保険や、賠償責任保険などは、万が一の際に大きな損害を被る場合の備えです。一方で保険金は実損分の補償のため、重複して加入していても受け取れる保険金は限られています。安易に解約せず、しっかりと見直しましょう。

まとめ

様々な特例措置が出されていますが、いずれの手段も、支払いの猶予あるいは支払方法の変更であり、誰かが代わって支払ってくれるものではありません。

三大支出である住宅ローン、保険料、教育費の様々な支援策を利用すると同時に、家計を引き締め、見直しの余地がないか、確認していきましょう。

 

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