逆パワハラもパワハラ?!
1 パワハラ防止の義務化
事業主に対してパワーハラスメントの防止を義務付けた関連法が2020年4月より施行されます。
セクシャルハラスメントは2007年から、マタニティーハラスメントは2017年から法律によって防止義務が定められていますが、パワーハラスメントは、ガイドラインが定められているのみで、一歩遅れを取っていました。
2 パワハラで訴えられるとは?
防止する法律がなくとも、これまでもパワハラで、訴訟が起こっていることは皆さんご存知のことと思います。パワハラに限らずハラスメントは、加害者が訴えられる場合は、人格を傷つける「不法行為」として、会社が訴えられる場合は事業主が従業員への安全配慮義務を果たさなかった「債務不履行」によって損害を与えられたとして損害賠償を求める形で訴えられます。
3 逆パワハラもパワハラ
近頃、パワハラに敏感になりすぎて、すぐにパワハラを主張する従業員が問題になることがあります。逆パワハラ・逆ハラ・部下ハラなどと呼ばれるようですが、適正な指導や処罰であってもパワハラであると大げさに権利を主張する場合を指すようです。
パワハラの定義の一つは「優越的関係を背景とした」ものであることがありますので、上司・部下という優越関係の他に、人間関係上や職場経験の長さなどの優位を背景にしている場合でも他の条件を満たせば対象となります。ドラマによくある新任の上司をいびる古株社員の行為などは、パワハラとなりえます。
4 どちらも防ぐのがパワハラ防止
「これはパワハラではないのか?」と疑問を呈すことができない環境はそれこそパワハラの温床ですので好ましくありません。しかし、度を過ぎた主張が通る環境でも事業の運営が立ち行かなくなります。
パワハラも逆パワハラも、ハラスメントに対する知識不足等によって、パワハラかどうかを判断できないことが原因の一つです。
改正後の法律が義務付ける防止策にも、パワハラに関する教育や相談窓口の設置が挙げられており、社員教育や知識の周知が、ハラスメントの起こらない職場を作る有効な手段であるといえます。
神奈川県川崎市で税理士・社会保険労務士をお探しなら
経営者のパートナーとして中小企業の皆さまをサポートします
“逆パワハラもパワハラ?!” に対して1件のコメントがあります。
コメントは受け付けていません。