転換期を迎える国際金融市場

第348回 財産承継研究会

【財産承継研究会・OFF研究会 共同開催 特別講演】
転換期を迎える国際金融市場

~トランプ米大統領の功罪を考える~

講師
横浜日独協会 副会長
向井 稔 氏
(元USBグローバル・アセットマネジメント代表取締役副社長、元日本投資顧問協会 副会長)

アメリカを発端に世界規模の金融危機が発生した、リーマンショックから今年で丁度十年になります。この十年で国際金融市場は大きく動いてきました。今回は、そんな国際金融市場について、世界の政治情勢を交えながら、横浜日独協会副会長の向井稔氏にお話ししていただきました。

◆暴落した株価は今…?

リーマンショック後、ダウ平均株価や日経平均株価は暴落しましたが、その後徐々に回復し、今年の1月にはNYダウは史上最高値(26616ドル)をつけました。株価は月単位でみると細かく上下を繰り返していますが、年単位で見ていくと2016年以降は上昇の傾向にあると言えました。

しかし、最高値をつけたNYダウは2月には史上最大の下げ幅を記録して暴落します。その原因の一つとして、「利上げ」により株が売られ、債権へと市場が移ったことが考えられます。一般的に、金利が上がると、株価は下がると言われています。

では、金利の動きだけをみていれば、株価の予想ができるのでしょうか?もちろんそんなことはありません。

◆株価は心理学?〈America First〉

お馴染みのフレーズで想定外の当選を果たしたトランプ大統領。予測不能な彼の政策は、株価にも多大な影響を与えています。先に述べたNYダウは暴落した2月以降に再び上昇しており、その要因の一つが、史上初となる米朝首脳会談だと考えられています。

長い間緊張状態だった米朝関係が融和に向かうのでは、という「期待感」が株価上昇につながったと考える人がいるのです。今度は「利上げ」のように目に見えるものではなく「期待感」という目に見えないものが株価に影響を与えているのです。株価は人の心理のように読むことが非常に難しいものなのです。

◆米中貿易戦争に隠された覇権争い

米朝首脳会談以外にも、注目するべきことがあります。アメリカと中国の貿易戦争です。表面上は貿易不均衡の是正ですが、その裏には二大国間の覇権争いがあると向井氏は言います。目覚ましい発展を遂げてきた中国を潰す狙いがあるのです。今後の両者の動向に注意をしなければならないのはいうまでもありません。

 

♥ 次回の財産承継研究会の開催日 ♥

2018年11月9日(金) 14時00分~16時00分

☎044-811-1211(石井・駒まで)

お申し込みは こちら

 


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