賃貸建物の減価償却費の計算は?
①減価償却費とは?
建物や機械設備など長期間にわたって利用する資産を取得した場合、一度に経費に計上することはできず、それぞれの決められた耐用年数に応じて、各年に配分することになります。その配分された費用が、各年分の減価償却費です。
減価償却費は、取得価額の費用配分であり、修繕費や手数料、水道光熱費、固定資産税などのように、各年に実際に支出したものではありません。費用を多く計上できれば、それによって税金計算上の所得が小さくなるので、各年の税負担も小さくなります。実際に支出する費用の変動があまり大きくない賃貸業にとって、この減価償却費をもれなく計上することはとても重要です。
②減価償却費の計算のしかた
建物の減価償却費は、下記のように計算します。
建物の取得価額×耐用年数に応じた償却率×(本年中の賃貸月数/12)×賃貸割合=その年の減価償却費
③中古資産の場合の耐用年数
中古資産を取得して事業の用に供した場合は、新築のものと異なるため、法定耐用年数ではなく、耐用年数を改定する必要があります。原則的には、個々の状態にあわせて耐用年数を合理的に見積もることとされていますが、見積りが困難であるときは、次の簡便法により算定した年数を用いることができます。
(ア)法定耐用年数の全部を経過した資産
法定耐用年数×20%=見積耐用年数
(イ)法定耐用年数の一部を経過した資産
(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×20%=見積耐用年数
※1年未満の端数切捨て、計算した年数が2年未満の場合は2年とする。
④法人と個人の違い
法人の場合は、②で計算された減価償却費が「減価償却限度額」とされ、各事業年度での減価償却費の計上額は、「減価償却限度額」の範囲内で任意の計上となります。
一方で、個人は、②で計算された減価償却費の計上が強制となるため、減価償却費の計上漏れがあった場合には、法人と違い、翌年以降に未償却残高を持ち越すことができなくなるので、注意が必要です。
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