中小企業倒産防止共済を活用する時のメリットと注意点

中小企業倒産防止共済(「経営セーフティ共済」)を活用する時のメリットと注意点

はじめにこの共済は、法律(中小企業倒産防止共済法)に基づく制度であり、国が全額出資している独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営しています。中小企業倒産防止共済のメインの役割は「連鎖倒産」のリスクに備えることです。そのことを念頭に、どのような活用方法があるのかご紹介していきます。

まず気になるのがメリットですが、いくつかある内の4点をあげてみます。

1 取引先が倒産して売掛金が焦げ付いたら貸付が受けられる(夜逃げは倒産に含まれません)。
2 急な資金が必要になったら無担保、低利率での貸付が受けられる(一時貸付金)。
年利は0・9%
3 40カ月以上加入していれば解約時に掛金全額が戻ってくる。
4 掛金月額は5千円〜20万円の範囲内(5千円単位)で自由に選べ、掛金の金額(年間最大240万円)を損金に算入でき、決算対策にも有効。

ここからそれぞれの注意点をあげていきます。

1 無利子、無担保でお金を借りられますが、共済金貸付額の10分の1に相当する額が積み立てた掛金総額から控除されます。償還期間は共済金の貸付額に応じて5年~7年(据置期間6カ月を含む)で毎月均等償還です。

2 一時貸付金を受けた場合、一年以内に返済しないと年14・6%の違約金が課せられます。

3 戻ってきたお金は全額雑収入、益金にカウントされます。掛金総額を損金で相殺できる時、たとえば、大きな赤字がでそうな時、退職金等のまとまった支出がある時を選ぶことが大切です。

4 期中のフリーキャッシュが減ります。

このような注意点から、解約のタイミングに気を付けることと、貸付を受ける決断は倒産を避けるための最後の手段と意識しておくことがわかります。尚、掛金は条件をみたせば、増減ができますので、経営状態をみながら変更をしていくことも大切です。

解約の時期に気を付けていれば最終的に掛金全額が戻ってきます。

このような仕組をよく理解して、中小企業倒産防止共済でどのようなことができるのか、活用方法を考えていただきたいと思います(制度の詳しい内容については、「経営セーフティ共済のしおり」をご覧ください)。
参考文献/中小機構HP

 


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