2014年オバマ大統領が来日した際に安倍首相からのプレゼントとして利用されたのがこの「獺祭」。そこで一躍知名度を上げた日本酒です。人口わずか五百人の山口県岩国市の限界集落で造られており、安倍首相の出身も山口県という事で選ばれたようです。先日、この獺祭を造る旭酒造 桜井会長の講演を聴く機会に恵まれ、同氏の書籍の情報と合わせてご紹介させて頂きます。

♣杜氏のFA宣言

今では「純米大吟醸酒」として日本一の出荷量を誇り世界20カ国に輸出されているこの獺祭ですが、一時は倒産の危機に陥り、その際、杜氏に退職されてしまい、杜氏不在の桜井氏の数値とデータにもとづいた日本酒造りをスタートさせたそうです。

通常日本酒造りは、「寒仕込み」と言われ冬に年一回、杜氏の経験と勘により仕込みを行いますが、獺祭は四季醸造を採用しています。日本酒造りは繊細で温度管理と雑菌の繁殖が抑えられる冬に仕込む寒仕込みが伝統手法となっておりました。現在、獺祭は限界集落には異様な光景に映る12階建ての高層ビルにて万全の管理のもと造られています。

やむを得ず杜氏が仕込むという従来の慣例から脱した事により、年一回しか培われなかった「経験と勘」が、四季醸造で年何度ものデータが取れ「経験と勘」が何倍も溜まっていくと仰っています。多くのデータをただ集めるだけでなくPDCAサイクルによる検証をしっかり行う分析室を設置して取り組まれています。

♣世界で戦うための口ぐせ

この獺祭は、山口県の地元では全然売れずやむを得ず東京の市場に出てきたそうです。東京で成功を収めた後は東京で売れたからと地元に戻っても先は無いと判断し、世界の市場へ進出しています。世界市場の上位数%のお客さまにターゲットを絞り、パリでジョエルロブションとのコラボレーションのレストランを展開し、ニューヨーク郊外に酒蔵を現在建設中と世界の市場の中心に向けて精力的な展開を行っておられます。

♣獺祭の口ぐせ

「やむを得ず」は、日本酒造りという伝統産業にあった固定概念からの脱却が始まりだと感じます。書籍には、まだ他の「やむを得ず」からの脱却方法や斜陽産業で売上を倍増させた桜井氏の経営理念が多く紹介されております。4月となり新年度の始まりです。問題点、伝統や慣習、固定概念を見直してみようと思う方は、獺祭のお供にこの書籍をお手にとってみてはいかがでしょうか。

勝ち続ける「仕組み」をつくる獺祭の口ぐせ桜井博志/著株式会社KADOKAWA/発行

 


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