マイナス金利が与える影響
第326回 財産承継研究会
テーマ:マイナス金利が与える影響
講師:
保険サービスシステム株式会社 塩野 智彦 氏
高木証券株式会社 ファンド・リサーチセンター副センター長 梅本 幹夫 氏
今年の2月より日本でも実施されることになったマイナス金利政策。私たちの身近でも様々な影響が出ていますが、今後はどのような影響が予想されるのでしょうか。
○生命保険への影響
生命保険への影響として、2017年4月から貯蓄性のある終身保険や養老・年金保険等の保険料が大幅に増額する可能性があります。
生命保険の保険料を決定する要素の一つに「予定利率」があります。これは日本の10年国債の利回りを基に金融庁が設定している「標準利率」に合わせて保険会社各社が決定するものです。この10年国債の利回りがマイナスとなったため、保険会社は運用利回りが見込めなくなり、結果として保険料の増額に繋がることが予想されます。また、一部保険商品の販売停止に踏み切る保険会社も出てきています。
そのため、生命保険への加入を検討されている方は、2017年3月末を目処に、優先的に検討することをおすすめします。
○証券投資への影響
証券投資の視点で見ても、償還期限が10年までの日本国債の金利がマイナスとなり、MMFや中期国債ファンドといった投資商品の販売が停止される等、利回りが期待できる運用手段の幅が狭まってきています。
マイナス金利の下、高い利回りで資産を運用するためには、国内より外国、国債より社債を投資先としている投資信託等、比較的リスクのある投資商品を選択していく必要があります。為替リスクを回避した状態で運用することもできるのでリスク商品でも安定性を持たせることが可能です。ただし、その分証券会社へは委託手数料がかかることに注意が必要です。
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マイナス金利政策により、私たちの生活への負担は増大しており、資産を守るための選択肢が減ってきています。今後の影響に備えて今からできることを考えることが重要です。
♥ 次回の財産承継研究会の開催日 ♥
2016年9月23日(金)予定 18時30分~20時30分
☎044-811-1211(石井・駒まで)
お申し込みは こちら
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