いくつになってもお金を貯め続けよう

第304回 財産承継研究会

いくつになってもお金を貯め続けよう

〜相続対策で使えるお金の貯め方〜

税理士法人LRパートナーズ代表社員小川湧三

★相続の現状

ほっとタイムス2014年2月号で「増税ラッシュがやってくるか」というタイトルで書きましたが、その第一段として4月1日から消費税の3%アップが始まり、第二段として来年(平成27年1月1日)より相続税・贈与税が改正され、資産課税の増税が始まります。

内容は、基礎控除がこれまでの60%へ引き下げられるとともに、税率構造も大幅な見直しが行われ、最高税率は50%から55%へ引き上げられるというものです。基礎控除の引き下げにより課税対象者は改正前の4・2%から6%に増えると予想され、相続時の負担がさらに大きくなると見込まれる中で、より一層「相続対策」を進めていかなければなりません。

★これからの相続対策

今までの相続対策といえば、相続財産を相続開始前に家族や法人に移転し、税金を抑えるという「節税対策」が一般的でした。贈与で資産を分散させる方法や、個人から法人に利益を移す方法は、効果的な相続対策でした。今後も資産を移す意味での「節税対策」は進めていく必要がありますが、相続税改正後には相続税を納めるために不動産の売却を考えなければならない人が多くなると思われます。もう1つ、いまアベノミクスでデフレ脱却が言われていますが、やがてインフレの時代も想定しておかなければなりません。

そこで、今後の相続対策では、「資産保全・運用」の観点も含めた対策が必要になります。

LR小川会計グループでは、これから①ファミリーカンパニーの活用②積立投資による法人資産の蓄積を中心とした方法を提案していきたいと考えています。

★ファミリーカンパニーの活用

今ヨーロッパで注目されているのがファミリーカンパニーを活用した資金運用です。もともとファミリーカンパニーとは、財務や法律の専門家を集め、富裕層の家族の財産の管理・運用や、法律相談を行う法人のことをいいます。相続対策としてのファミリーカンパニーでは、贈与で分配した財産を法人へ出資金として集め、その資金を管理・運用していきます。

しかし、私たちが提案するファミリーカンパニーは、ヨー
ロッパ型の超富裕層のファミリーカンパニーとは異なり、家族金融資産の保全・運用を中心とした日本型ファミリーカンパニーともいうべきものです。

★積立投資による法人資産の蓄積

投資というと危険だとか、リスクがあるとか言われています。安全だと言われている預貯金も長期的に見ればインフレリスクに対しては極めて弱いのです。しかし、長期にわたる積立投資は価格変動を逆に利用して積立てていく方法です。相続税の納税資金や相続財産の分割資金の積立を主目的とした資産形成は、リスク資産を長期にわたって積立て保有し続けることがインフレリスクに対して有利になることが判っています。定期積金が毎月積立を行うように、毎月一定数の株式を購入していくことで、一度に大きな金額を投資に充てるより、リスクを小さくすることができます。また、一定期間がきたら株式を売却し、新たな株式に切り替えることで、期間損益を平均に保つことも可能です。株式を選ぶときには①何種類かに分け、②配当がいいものを選ぶことでさらにリスクを分散することができます。

★最後に

時代の変化によりお金を貯めることが困難になっているのが現状ですが、人生の最後まで幸せな生活を送るために、さまざまな方法を利用して、お金を貯め続けていきましょう。

 

 

♥ 次回の財産承継研究会の開催日 ♥

2014年6月27日(金) 18時30分~20時30分

☎044-811-1211(石井・駒まで)

お申し込みは こちら

 


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