平成25年度税制改正のポイント

第294回 財産承継研究会

平成25年度税制改正のポイント(相続税・贈与税・所得税)

今回の財産承継研究会は、平成25年度税制改正のポイントを相続税、贈与税関係を中心にお話ししました。

● 相続税の基礎控除の縮小、税率構造の見直しと最高税率の引き上げ

(平成27年1月1日以降の相続・遺贈について適用)

相続税の基礎控除額が現行の『5000万円+1000万円×法定相続人数』から「3000万円+600万円×法定相続人数」に引き下げられます。この改正により基礎控除が4割引き下げとなり、相続税の対象者の増加が見込まれます。また、税率構造が現行の6段階から8段階に見直され、最高税率が
55%に引き上げられます。

● 小規模宅地等についての課税価格の計算特例の適用範囲拡大

(平成27年1月1日以降の相続・遺贈について適用)

特定居住用宅地等に係る特例の適用対象面積の上限が330㎡(改正前240㎡)まで拡大され、現行で限定的に併用が認められている居住用宅地と事業用宅地について、完全併用(それぞれの限度面積居住用330㎡、事業用400㎡)に適用が拡大されます(。貸付用を除く)

● 居住用宅地の適用要件の緩和・柔軟化

(平成26年1月1日以降の相続・遺贈について適用)

二世帯住宅については、内部で行き来ができるか否かにかかわらず、同居しているものとして、特例の適用ができるようになります。

老人ホームに入所したことにより被相続人が居住しなくなった家屋の敷地については、

①被相続人に介護が必要なため入所したものであること
②貸付などの用途に供されていないこと

を要件として、相続の開始の直前において被相続人が居住していたものとして、特例の適用ができるようになります。

● 贈与税(暦年)の税率構造の見直しと最高税率の引き上げ、相続時精算課税制度の対象者の拡充

(平成27年1月1日以降の贈与について適用)

現行の暦年課税は、暦年(1月1日から12月31日までの1年間)毎にその年中に贈与された価額の合計に対して贈与税を課税するという仕組みになっていますが、今回の改正では父母・祖父母等から20歳以上の子・孫等への贈与に対する税率を緩和。一般の贈与も一部を緩和。しかし最高税率を50%から55%へ引き上げる形となりました。

また、相続時精算課税制度の対象者が現行の『受贈者:20歳以上の推定相続人、贈与者:65歳以上の者』から今回の改正で『受贈者:法定相続人および孫、贈与者:60歳以上の者』に拡充されることになりました。

● 教育資金一括贈与に係る贈与税非課税措置の創設

(平成25年4月1日から平成27年12月31日までの措置)

子・孫などに対する教育資金の一括贈与について、子・孫ごとに1500万円(ただし、塾など学校以外のものへの支払は500万円)まで非課税とされ、子・孫が30歳に達する日に終了し、使い残しがあれば贈与税を課税するというものです。

贈与手段としては、金融機関に子・孫名義の口座を開設し、資金を一括で拠出することになります。また教育費の範囲としては、入学金、授業料、塾、習い事などが対象となります。税務署への申告については金融機関経由で「教育資金非課税申告書」を提出し、使途は金融機関が領収書等をチェックし書類を保管することになります。

 

♥ 次回の財産承継研究会の開催日 ♥

2013年6月28日(金) 18時30分~20時30分

☎044-811-1211(石井・駒まで)

お申し込みは こちら

 


神奈川県川崎市で税理士・社会保険労務士をお探しなら

LR小川会計グループ

経営者のパートナーとして中小企業の皆さまをサポートします


お問い合わせ