資産運用の基本 その4 資産分散・時間分散に適した商品とは?
【 はじめに・・・ 】
資産分散・時間分散にはどのような商品を選んだら良いのでしょう?
国内外の株式・債券・不動産などに直接投資するには、まとまった資産が必要となります。
手間と時間をかけず、資産分散・時間分散の効果を得るには、定時定額を購入していく『投資信託』を利用した資産運用が有効でしょう。
【 投資信託とは…? 】
たくさんの投資家から集めたお金をプロに運用を託す商品
国内の銀行・証券会社などで販売されている投資信託は昨年4000本を超え、商品の内容(投資対象や手数料・分配金など)も様々です。
金融機関の担当者から勧められる商品は、流行を取り入れた商品や、販売会社側にとって都合の良い商品の場合もあります。
たくさんの商品の中で、個人投資家が堅実に資産形成するのにおすすめなのは市場連動型のインデックスファンドです。
【 インデックスファンド 】
運用実績が『指数』に連動するように設計された投資信託
『指数(インデックス)』とは、市場平均値をあらわしたもので、国内外の株式・債券・商品など様々な市場で組成されています。
(⇔アクティブファンド:ファンドマネージャーの裁量によって積極的に利益を追求していく投資信託)
代表的な指数
〔国内株式〕日経225(日経平均株価225種)・TOPIX(東証株価指数)など
〔海外株式〕NYダウ(ダウ工業株30種平均)・MSCIコクサイ指数など
〔海外債券〕シティグループ世界国債指数
◇メリット◇
①市場全体の動きに連動しているので、情報が得やすい。
②機械的に取引されるので、手数料(信託報酬)が安い。
③少額で分散投資ができ、自動積立(定時定額購入)が可能
◆デメリット◆
①価格変動リスクがある。(元本保証ではない)
②インデックス(指標)への連動率は商品によって差がある。
【 手数料の種類と影響 】
販売手数料:無料(ノーロード)から3%超まで。同じ商品でも、販売会社・購入金額によって違います。
信託報酬:保有期間中毎日、保有資産残高に対してかかります。インデックスファンドや確定拠出年金用のファンドは安く、アクティブファンドや海外株式・海外債券型ファンドでは高く設定されています。
信託財産留保額・換金手数料:解約時にかかります。
⇒長期投資(定時定額投資)なら、ノーロードで、信託報酬の安いインデックスファンドを選びましょう !
【 分配金の考え方 】
分配金が支払われる為には、投資資産を現金化する必要があります。いつでも高分配の商品は、分配を確保する為に、資産を取り崩したり、売買コストがかさんでいる状況になっている可能性もあります。
「普通分配金」は運用利益からの分配、「特別分配金」は、元本部分の資産を取り崩しての分配です。分配金支払いの報告書をよく確認してみましょう。
【 どんな商品を選ぶべきか?】
預金や年金は国債での運用が中心です。安定志向の人でも、インデックスファンドを利用して国内外の株式・海外債券への投資を始めると、資産分散になります。
具体的にはMSCIコクサイやMSCIエマージングに連動するファンドを選ぶと、海外株式全般に分散できます。不動産(持ち家)を保有していない場合は、REIT(不動産投資信託)に投資するのも良いでしょう。
1本で世界中の主な資産への分散が完結している投資信託もありますし、資産ごとに1本ずつ投資信託を持つ方法もあります。保有商品や運用資金額、年齢・ライフスタイルなどに合わせ、選択しましょう。
購入後も1年に1度は運用成績をチェックして、アセットアロケーション(資産配分)に変化がないか確認しましょう。
【 まとめ 】
4回に渡り「資産運用の基本」シリーズをお送りしました。自分に合った『ポートフォリオを構築』し、『投資信託(インデックスファンド)の定時定額購入による資産分散・時間分散・長期運用』を、ぜひ実践してください。
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