絶滅危惧種キウイから学ぶ種の保存の厳しさ

絶滅危惧種キウイから学ぶ種の保存の厳しさ
私たちは飛べない鳥になってはいけない

秋のニュージーランドへ

e0100687_103316993月17日から24日までニュージーランドのクライスト・チャーチとオークランド、それに脚を伸ばしてロトルアへ行ってきた。主テーマは日本全国の税理士事務所を中心に約180名が参加した「税理士が関与する中小企業のM&A」に関する国際会議である。

ニュージーランドへは初めて行った。日本の約4分の3の面積に約400万人強の人口で人口密度は日本の24分の1。日本の本州の面積に横浜市と川崎市の人口の合計にも満たない数の人しか住んでいない国である。
鉄道はあっても無きが如し、クライスト・チャーチとオークランドを結ぶ鉄道は1日に何本も通らない日本のローカル鉄道よりも本数が少ないのである。
私たちは大勢なのでバスの移動であったが、クライスト・チャーチからバスで片道5時間往復10時間をかけてアオラキ/マウント・クック・ビレッジへ、オークランドからロトルアへの片道3時間のバス旅行はニュージーランドの風景を見るには打って付けの旅行であった。

飛べない鳥たち

e0100687_10335562ニュージーランドの国鳥であるKIWI(キーウィ)に代表される「飛べない鳥」という絶滅に瀕している鳥がいる。外敵がいなかったために飛ぶ必要がなくなり、遂には飛べなくなってしまった。また、原住民もその自然と共存していたが、移住してきた人間の侵入によって絶滅ないしは絶滅寸前になってしまった。
誰でもが楽園を、あるいは平和を望む。誰しもが豊かになりたいと望む。ニュージーランドのキーウィは地政学的に、あるいは地理的な自然環境から飛べない鳥になるまで長い間守られてきた。
ガイドの説明を聞きながら、第二次世界大戦後60年、日米同盟の中で戦争にまきこまれず平和の中にドップリと浸かった「平和ボケ」ではないかといわれている日本の周囲を取り巻く国際環境を見たとき、いつかひっそりと暮らす原住民や飛べない鳥になって絶滅種になってしまう悪夢を連想したのは私だけであろうか。

豊かさとは何か?楽園であることは良いことか?

私たちは第二次世界大戦の敗戦によって灰燼に帰した中から世界第二位の経済力を持つまでの国になった。私たちは豊かさを求めてきたが、私は車窓から風光明媚で整備された自然の美しさ、ゆったりとした時間の中に暮らす人々を眺めながら本当の豊かさとは何なのだろうか考えさせられた。
セミナーの講師は、ニュージーランドの人たちを一言で言えば「(我々には)脅威と言うものが無い幸福な人々」と言い表していた。
しかし、脅威や競争のない社会であれば、いつの間にか「飛べない鳥」たちになってしまうであろうし、競争が激しくなって力あるものの弱肉強食の世界になってしまうのも困りものだ。
自然の食物連鎖の中で絶妙なバランスを保って生きる生物のように、秩序ある競争社会でも、連鎖の中で種の保存のために犠牲になるものがあることを受け入れなければならないのである。

ニュージーランドでM&A国際会議を開く面白さ

さて、会議の中身であるが、別表のように、中小企業のM&Aは06年現在では2千社を超えるが、マーケットポテンシャルは約12万社とのことである。
会社法も新たになり、今年の5月から、いわゆる「三角合併」が解禁になる。日本にも資本主義の申し子のようなM&A旋風が起ころうとしているときに、競争社会と隔絶した時空間にあるニュージランドでM&A国際会議が開かれるとは皮肉にも近い感情がよぎったものである。
国際会議の中で、もう一つ感じたことは、ニュージーランドに来てから感じていた「緊張感に欠ける幸せ感覚」とでも言うムードがあり、後継者不在や後継者不適格など否定的な側面のみ論じられるM&Aではなく、中小企業経営者が持つ自らが育ててきた企業への愛着や自社の持つ職人的な技術への「こだわり」とその伝承する喜びに対する議論が欠けていたことである。
ビジネスチャンスとしてのM&Aに関心が向くのはやむを得ないとしても私は中小企業者のハッピーリタイアメント、豊かな生活の実現、この視点を強調してもしすぎではないと思う。
e0100687_10341010

税理士法人 LRパートナーズ  代表社員 小川湧三

神奈川県川崎市で税理士をお探しなら

LR小川会計グループ

経営者のパートナーとして中小企業の皆さまをサポートします


お問い合わせ