中小企業金融はどう変わるか
ペイオフ解禁を控えて
来年4月1日のペイオフ解禁を控えて金融システム再編の動きがUFJの再統合問題でもたついているが、いよいよ地域金融機関へ向かう。金融機関の再編課程で吸収される金融機関と取引していた中小企業が新規取引が難しくなりやむなく消えていった企業も少なくない。
地域金融機関の新しい在り方として昨年金融庁が「リレーションバンキング」通称「リレバン」が新しいコンセプト、ビジネスモデルとして提示された。
これは都銀の貸出先の審査基準をそのまま中小企業への審査基準として適用することに批判が相次いだところから、都銀と地域金融機関の違いを認め、地域金融機関の再編への布石とも思われる。
動き出したビジネスローン
中小企業への金融は貸し剥がしと云われた厳しい返済要求や返済肩代わり特別融資が逆に5年間の返済が中小企業の体力を奪い倒産・廃業を加速させた(図表)。今も融資残高は4-5%ずつ減少している状態である。
このような中小企業の苦境を察して国民銀行はいち早く中小企業への無担保審査期間のビジネスローンをはじめた。東京都も中小企業への融資を目的として新銀行を設立した。
先述した「リレバン」への政策誘導など中小企業金融への関心が高まりつつあるがまだ地域金融機関の動きは鈍い。
また、不良債権処理を実質的に終わった東京三菱、三井住友も一昨年あたりから積極的に中小企業向けのビジネスローンを始めたが、優良企業への選別ローンで営業姿勢は天気に雨傘を貸す感もしなくは無い。
地域金融機関の課題
一つは、最近、新規出店をするため出店資金の借り入れに係わった。しかし、まだ新規出店の事業を評価してもらうことは出来ず、実行まで二転三転した。担保、保証人を求められ事業資金を借り入れるには高い壁があること痛感させられたことでる。
もう一つは、バブル以後多額の債務を抱えながら地域で事業を行っている中小企業の再生を図り活力を取り戻させるための債権の償却をどこまで積極的に行うかである。
提案・宝くじ付き融資はいかが
スルガ銀行では預金者へ低金利を補うために宝くじをセットした定期預金を販売し、お客様に好評を博しているそうだ。既に1億円の宝くじも数本出ているとのことである。このアイデアを中小企業への貸出に当たって「宝くじ付き事業資金融資」を企画実行してはどうか。
宝くじの当選金は中小企業の体質改善にも役立つし、貸出債権のリスクヘッジ゙機能も持つ。残高100万円に付き宝くじ1枚、当選金は元金返済なり、新規j行資金なり使途自由というのも面白い。ビジネスの中に遊び心も大切ではなかろうか。
(小川 湧三)
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