戦後80年グローバル経済の終焉、そして分断と対立の時代へ~トランプ関税の影響と国際金融市場~
第420回 ロングリレーションズ倶楽部
ロングリレーションズ倶楽部 特別講演
テーマ:
戦後80年グローバル経済の終焉、そして分断と対立の時代へ
~トランプ関税の影響と国際金融市場~
講師:
NPO法人 横浜日独協会副会長 向井 稔 氏
(元UBSグローバル・アセットマネジメント 代表取締役副社長
元日本投資顧問協会 副会長)
戦後80年を迎え、自由貿易を基調としたグローバル経済は大きな転換期を迎えています。特にトランプ関税に象徴される動きは、戦後の国際経済を根底から揺るがし、国際貿易の地域ブロック化が進むと予想されます。
戦後のGATTから始まる世界経済システムは、ソ連崩壊後から米国一強時代によりグローバリズム時代の到来へと繋がり、その後サプライチェーンの急拡大で貿易不均衡が進み、日本、欧州、中国の貿易黒字が膨らんでいきました。
しかし世界の覇権国だった米国も次第に力が衰え、相対的な国力低下が進むにつれ、米国の不満が高まっていく中で、いわゆる米国復活の「のろし」としてMAGA(Make America Great Again)を掲げた第二次トランプ政権が誕生しました。
トランプ関税は各国の経済に多大な影響を及ぼしています。
当初、中国製品に対して100%の関税を課し、これに対し中国側も報復関税をかけることで対抗するなど、激しい応酬が繰り広げられ緊張が増し、10月末に相互による合意のもと、一応は関税の引き下げが決定しました。
中国にとってトランプ政権のスタンスは、世界における「中国のレゾンデートル」を高めるうえで好都合なものとして受け止められています。
欧州でもアメリカの保護主義や中国への経済的な依存に対して防衛策を講じています。
このような世界的な経済の分断が進む中でグローバルサウスと呼ばれる新興国の存在感が増し、米中の巨大市場への依存から脱却し地域内での貿易を強化する動きも出てきています。
戦後80年を迎えると共にプラザ合意から40年を迎え、国際金融市場も変化していく中でドル一強時代が徐々に終焉し、新たな複数通貨協調体制を模索していくことが求められています。
円安が続く中で当面は高市内閣の経済成長戦略のもと、拡張的な財政政策や緩和的な金融政策志向などにより円安圧力が強まる一方、新政権として物価対策に関しても早急な対策が必要である以上、円安による輸入インフレの進行を現状のまま放置することもできないため、政府からの日銀に対する利上げ圧力が高まる可能性も大きいと考えられます。

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