世界経済の歴史的な岐路
私たちは世界経済の歴史的な転換点に立っていたと、後世は見るかもしれません。現在は長年の課題が表面化し、大きな変革が求められている時代です。
今日の社会には、驚くほどの富の偏在が存在します。世界の富の4割近くを、わずか上位1%が所有し、過去10年間でその資産は大幅に増加したといわれています。
このような中、トランプ大統領による相互関税の発表は、世界の経済秩序を大きく揺るがしました。2025年4月2日以降、米国の信頼性は著しく低下し、政権は予測不能な印象を与えています。議会制民主主義のはずの米国に、人が変わったような急激な変化はなぜ起きているのでしょうか。
その米国では、大統領が緊急事態を宣言すると、輸入や輸出等の規制を議会の承認を得ずに大統領の判断だけで実行できるのです。つまり世界中がトランプ大統領一人に振り回されていると見ることもできます。
しかし、この行動の背景には、米国経済の構造的な問題があります。2000年以降、輸入超過による貿易赤字が膨大となり、米国経済の持続可能性が下がっていました。米国議会は、政府債務があと5年で第二次世界大戦直後の水準を突破すると予測しており、トランプ大統領以外の誰が大統領でも、米国の変革は、その速度はどうあれ、避けられなかったと見る識者は少なくありません。
良い製品を安く製造できる輸出国と、それを不要なほど大量消費する米国が貿易赤字の原因といわれています。モノを安く造れるところに任せて安価に消費し、空いた手でアマゾンやGoogleなどのサービス貿易に注力しつつ、テクノロジーを進化させ続けてきた米国が、関税をかけて安いモノが入らないようにすることで自国の製造業を復活させた先にあるのは物価高と、コストを掛けられなくなったテクノロジー分野の衰退を招くと言われていますが、どうなるかはまだ分かりません。
いまのところ相互関税による影響は顕在化しておらず、輸出企業はコストダウンなどで対応しようとしています。
しかし、最終的に関税は輸入国の消費者が負担することになる矛盾は、トランプ関税への世界中の懐疑を招いています。(2025年8月5日執筆時点)
今後の経済は大きな変革を必要としており、今までの延長線上では維持できません。
この変化に対応し、新しい時代を生き抜くために、あなたは何を学び、身につけたいですか。

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