本年成立!! 年金制度改革関連法の概要①

本年6月に年金制度改革関連法が成立しました。これは社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化と、所得再配分の強化や私的年金制度の拡充等による高齢期の安定を目的としています。

今回は「社会保険の加入対象拡大」について、お客さまへの影響をご説明いたします。

この改革の大きな柱の一つが、社会保険(厚生年金・健康保険)の加入対象を広げることです。これによりこれまで加入できなかった短時間労働者や、一部の個人事業所でも加入できるようになります。

❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖

① 短時間労働者の加入要件の見直し(2026年10月~)

短時間労働者の加入要件のうち、「月8.8万円以上」「週20時間以上」といった加入要件は維持されますが、「企業規模要件」が段階的に撤廃されます。

・現在「51人以上の企業」が対象です。
・2029年10月~「21人以上の企業」まで対象が拡大します。
・2032年10月~「11人以上の企業」まで対象が拡大します。
・2035年10月~「10人以下の企業」まで対象が拡大し、最終的に規模要件が撤廃されます。

また「賃金要件の撤廃」(いわゆる年収106万円の壁をなくす方向で、全国の最低賃金の状況を見極め3年以内に廃止予定)も進められます。

【お客さまへの影響】

これまで社会保険に加入できなかった方々も、加入により、将来受け取れる年金額が増えるほか、病気やケガの際の保障も手厚くなります。ただし、加入対象となることで、労使ともに社会保険料の負担が発生します。

【事業主様への支援】

新たに加入対象となる短時間労働者に対し、3年間は事業主が保険料の追加負担をした場合に、国が全額支援する制度など、事業主様の負担を軽減する措置も講じられます。

② 個人事業所の適用対象拡大(2029年10月~)

これまで個人事業所に対する社会保険の適用は、「法律で定める17業種であり、常時5人以上の雇用者を使用する事業所」が対象でしたが、これまで適用外であった農業、林業、宿泊業、飲食サービス業などでも、「常時5人以上の雇用者を使用する個人事業所」が社会保険の加入対象となります。

 

お問い合わせ

神奈川県川崎市で税理士・社会保険労務士をお探しなら

LR小川会計グループ

経営者のパートナーとして中小企業の皆さまをサポートいたします

お問い合わせ