相続登記の義務化
令和6年4月1日より、相続登記の申請が義務化されました。相続や遺言で不動産を取得した相続人は、取得を知った日から3年以内、または遺産分割が成立した日から3年以内に相続登記をしなければならなくなりました。
♧なぜ相続登記が義務化されたのか
相続登記の義務化の背景には、【所有者不明土地】と呼ばれる、所有者やその連絡先がわからない土地が増えたことが挙げられます。
令和2年の国土交通省の調査によると、全国の所有者不明土地の占める割合は、24%にも上ると言われており、その面積は九州の大きさに匹敵するそうです。所有者不明の土地は、公共事業や災害復旧の工事などの妨げになったり、管理もされずに放置されているケースも多いため、周辺に悪影響が出る可能性もあります。
♧登記未済の場合は過料も
正当な理由なく、3年以内に登記をしなかった場合、10万円以下の過料を請求される可能性があります。義務化の前に相続をした場合でも、改正法の施行日から3年以内に相続登記をしなければなりません。
♧相続人申告登記
相続登記にあたり、分割協議の長期化などにより3年以内の期限を迎えてしまう場合があります。従来の制度では、とりあえず法定相続分の持分で共有名義にするしかありませんでした。この場合、のちに遺産分割協議が成立した後にも、相続登記をしなければならないため、登記申請の際に納める登録免許税が2回かかってしまいます。
そこで、簡易に相続登記の申請義務を履行する仕組みとして「相続人申告登記」が設けられました。司法書士に依頼した場合は費用がかかりますが、申請自体に費用はかかりません。あくまで、相続人であることが表示されるだけで、権利関係を示しているわけではない点に注意が必要ですが、相続人申告登記をすることで、期限内に相続登記ができなかった場合でも過料を請求されることはありません。
遺産分割協議がうまく進まない時などにご検討ください。

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