金融リテラシーを身につけよう

クローバー通信 No.238

金融リテラシーという言葉を聞いた事はありませんか?

現代社会においては、「生活スキル」として金融リテラシーを身に付けることが求められています。

「知っている」と「知らない」では、日々の生活や人生において、大きく影響します。

今回は、求められる金融リテラシーの内容について見ていきましょう。

1 金融リテラシーとは?

金融リテラシーとは、「金融に関する知識や情報を正しく理解し、適切に判断する能力」を指します。

金融庁では2012年11月に「金融経済教育研究会」を設置して今後の金融経済教育の在り方について検討を行い、2013年4月に報告書の中で「生活スキルとして最低限身に付けるべき金融リテラシー」を公表しました。

年齢に合わせた項目別のマップも作成されており、小学生から高校生は、学校における『金融教育プログラム』により教育現場での取り組みが進んでいます。

小学生:買い物、おこづかい、お年玉、手伝いなどの体験から学ぶ
中学生:家計の収入や支出について理解を深め、就きたい職業などを考え情報収集する
高校生:生活設計の重要性、社会的な責任について理解を深める

2 金融リテラシーはなぜ必要か?

2022年に行われた調査では、金融経済教育を受けたと回答した人は7.2%と低く、正誤問題では特に家計管理・保険・ローン・資産形成分野で、OECD(経済協力開発機構)24カ国の平均を下回りました。これに対し、金融リテラシーが高い人ほど望ましい金融行動を取り、投資を実践している人が多いという結果になりました。

金融リテラシーが高い人の傾向

❖ 緊急時に備えた資金を準備している
❖ お金について長期計画を立て、達成するように努めている
❖ 老後の生活費について資金計画を立てている
❖ 株式を購入したことがある
❖ 金融資産が500万円以上ある
❖ 専門家のアドバイスを受ける機会が多い

3 最低限身に付けるべき金融リテラシーの4分野・15項目

⑴ 家計管理

適切な家計管理(赤字解消・黒字確保)の習慣化

・収入と支出をきちんと把握し、使途不明金をなくす
・収入の範囲内で支出を抑える

⑵ 生活設計

ライフプランの明確化

ライフプランを踏まえた資金の確保の重要性の理解

・自分のライフプラン[仕事・結婚・住まい・子ども・教育・老後など]をイメージする
・「いつ」・「何のために」・「どれくらい」資金が必要か把握する
・不測の事態や老後資金確保のために、保険や金融商品を活用する

⑶ 金融知識及び金融経済事情の理解と適切な金融商品の利用選択

【金融取引の基本としての教養】

契約にかかる基本的な姿勢の習慣化

・自分で契約の内容を確認し、理解できない契約はしない
・契約後も、定期的に内容を確認する

情報の入手先や契約者の相手方である業者が信頼できるものであるかどうかの習慣化

・国の登録業者であるか、自主規制機関に所属しているかなど確認する

インターネット取引は利便性が高い一方、対面取引の場合とは異なる注意点がある事の理解

・ID・パスワードの管理や、誤発注などのリスクを理解し対策する

【金融分野共通】

金融経済教育において基礎となる重要な事項

金利(単利・複利)、インフレ、デフレ、為替、リスク、リターン等の重要事項を理解する

取引の実質的なコストについて把握することの重要性の理解

・表面的なコストやリターンだけでなく、付随して発生する費用や手数料などを考慮して実質価格を把握する

【保険商品】

自分にとって保険でカバーすべき事象(死亡・病気・火災等)が何かの理解

・自分が何のリスクに備えるべきか整理した上で判断する

カバーすべき事象発現時の経済的保障の必要額の理解

・貯蓄も含め、保険以外の社会保障や企業福祉を確認する

【ローン・クレジット】

住宅ローンを組む際の留意点の理解

・無理のない借入限度額の設定、余裕のある返済計画を立てる
・金利上昇、失業による収入減の対策をする

無計画・無謀なカードローン等やクレジットカードの利用を行わないことの習慣化

・収入・預貯金額に見合った利用をする
金利負担の高いカードローンの利用を控える
返済遅延が及ぼす社会的信用力の低下、将来の借入への影響について知っておく[信用スコア]

【資産形成商品】

人によってリスク許容度は異なるが、仮により高いリターンを得ようとする場合には、より高いリスクを負う事の理解

・リスク・リターンを理解する
・低リスク高リターンはない

資産形成における分散(運用資産の分散・投資時間の分散)の効果の理解
資産形成における長期運用の効果の理解

・継続による複利運用の効果を理解する

⑷ 外部の知見の適切な利用

金融商品を利用するにあたり、外部の知見を適切に活用する必要性の理解

・事前に適切な情報にアクセスできる[デジタルスキル]
・外部の専門家[税理士・FP・証券外務員など]に、アドバイスを求める

まとめ

金融リテラシーの項目をまとめてみると、FPとして毎月クローバー通信で発信している内容が全てあてはまることを感じます。金融教育が始まったのは最近の事であり、それまでは「お金」について話すことはタブー視されていたため、金融と聞くと身構えてしまう人も多いでしょう。

しかし、公的な制度の申請なども該当しますが「知っていると得」になるだけでなく、「知らないと損」になり、日々の生活や人生設計にも関わってきます。わからない事を専門家に相談する場合でも、丸投げにするのではなく、基本的な知識を身に付けて概要がわかるようにしていきましょう。

 

 

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