不確実な世界
この記事を書いているのは日経平均株価が3日間で7,600円余り下落し、翌日に3,200円余りが上昇した非常に荒れた相場の夜である。ドルに対する円も乱高下を演じ、ビットコインは急落した。
いくつもの投資の前提条件が同時に崩れると、大きな損失が加速的に発生し、ひとびとがパニックを起こして出口へ殺到することで、今回のような記録的な数字の更新が起こることは過去に何度もあったし、もちろんこれからも確実に起こるだろう。
そしてそれは、いつも一瞬で裏切られ、相場の乱高下で損をするだけではなく、気がついたときには取り返しがつかない状況に置かれる人がたくさん出る。
ところで、日本企業は長らく低金利が常態で緩やかな変化のなかで生きてきた。
コロナでは大きな影響があったが補助金と融資で乗り越え、最近の物価の上昇こそあれ、生きながらえてきた。だがこの株式相場の乱高下のように、中小企業の事業環境もさらに大きく荒れることがこれから起こるかもしれない。それでは、このようなことから身を守る術はあるのか?
ないといえば無い、あるといえば有る。
政策金利の動きをいつも言い当てる人はいないし、中国は造りすぎた製品を世界に叩き売っている。そんな世界の事象にはあらがえないし、我々にはあまり関係ないとも言いたくなる。
ではどうする?
中小企業は自社の市場への大企業の進出などの、自社の現状に対する外的要因に対してはほとんど打つ手がない。自社の努力では外的要因を排除することができないからだ。そういう意味では外的要因に対して直接的に身を守る術はない。
一方で中小企業は、自社の利益が思うようにあがらない要因が内部にあると幸運にも気がつくことができた場合、その要因に対して改善する方法を思いついたならば、勇気を持って意思決定をして実施することができる。
幸いにも中小企業の強みとして意思決定者が少ないという点があり、このことから方向転換がしやすい。
これは排除できない外部要因に対して間接的にすばやく対処できることを意味する。遠い国の重大な出来事にあらがうことはできないし、直接関係はないが、めぐり巡って自社に影響がいずれ及ぶと想像し、情報へのアンテナを常に高くしながら深く考えて想像し、早めに対処することで機会と捉え、自社のまわりまで影響が近づいたときにチャンスにできるようでありたい。

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