NISAで話題のオルカンとは? 解説 全世界株式型投資信託「オール・カントリー」

クローバー通信 No.230

NISAの投資先として圧倒的な人気を集めている「オルカン」。「これ1本買えば良い」と様々な媒体で取り上げられていますが、必ずしも安全な商品という訳ではありません。

今回は商品の内容やリスクについて見ていきましょう。

1 オルカンとは?

オルカンとは、オール・カントリ―の略で、日本を含む全世界の株式市場の動きに連動するインデックス型の投資信託です。

代表的な銘柄

❖ eMAXIS slim全世界株式(オール・カントリー)
❖ 楽天・全世界株式インデックス・ファンド
❖ SBI・全世界株式インデックス・ファンド

特徴

⒈ 1銘柄で、世界の株式市場に幅広く分散投資ができる
⒉ インデックス型で、信託報酬が安い
⒊ 「NISAつみたて投資枠」の対象銘柄

2 オルカンが選ばれる理由

世界経済は成長する

国際通貨基金IMF「世界経済見通し2024年4月」によると、世界経済は今後も毎年3~4%ずつ成長していくと見られています。

実際に世界の人口は増えており、2024年時点で80億人を超え、2058年には100億に達すると推計されています。人口が増えれば消費も増え、それに合わせてモノやサービスも増えていきます。

人口減少が危惧される日本だけではなく、世界へ投資をした方が良い理由がここにあります。

3 オルカンのリスク

オルカンは全世界株式への投資であり、決してリスクが低い投資ではありません。各国の景気・GDP成長率・企業業績・政治などの影響を受けるため、以下のリスクを負います。

価格変動リスク
信用リスク 
為替変動リスク 
カントリーリスク

ファンドの騰落率では、楽天の場合は過去5年間でプラス58%~マイナス13.2%の幅があり、平均で12.7%の利回りとなっています。現在は特に円安により為替差益が多く発生しており、株価の下落、円高進行により、マイナスになる可能性も十分あり得ます。

また、世界株式に幅広く投資していますが、投資対象の60%超を米国株が占めており、米国の株式市場の影響を受けやすくなっています。オルカンに加えてS&P500を持つ場合は、米国株への集中を高める結果となり、分散の効果はあまり期待できません。

リスクとリターン


リスクを低減させるには、長期運用・つみたて投資が有効です。非課税制度のNISAのつみたて投資枠や、iDeCoなど確定拠出年金を活用し、資産形成の仕組みを作りましょう。

4 代表的な指数 ベンチマーク

インデックスファンドは、参考とする指標をベンチマークとして設定しますが、オルカンでは以下の代表的な指標が使用されています。

[ MSCI ACWI ]
 MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス

米国のモルガン・スタンレー・キャピタル・インクが公表

23の先進国市場、24の新興国市場の大型株・中型株2,760銘柄で構成されており、世界の投資可能な株式の約85%をカバーしている。時価総額加重平均型の株式指数。

[ FTSE GACI ]
 FTSE グローバル・オール・キャップ・インデックス

英国のFTSE(フッツィー・インターナショナル)が公表

49カ国の大型株・中型株・小型株を網羅する、10,059銘柄で構成されている。小型株を含み、より分散され株式市場の動向を表している。

5 全世界株式に投資する方法

オルカン以外にも全世界の株式市場に投資する選択肢があります。情報が入りやすい日本、動きの異なる先進国・新興国を別々に保有する事で、変動の要因がわかりやすくなり、現金化(売却)がしやすくなります。

▪ 1銘柄:

 ①全世界株式(含む日本)1本のみ

▪ 2銘柄:

 ①日本株式+②世界株式(除く日本)

▪ 3銘柄:

 ①日本株式+②先進国株式(除く日本)+③新興国株式

▪ 自分で選択:

 ①日本株式+②米国株式(S&P500)
 ③インド株式 ④アジア株式など

ファンド

まとめ

コロナ以降、世界各国で金融緩和を行なった事と行動制限や流通の停滞から金余りとなり、米国を中心に株式市場に資金が流入し、株価の大幅な上昇とインフレを引き起こしました。今は経済正常化に向け各国が苦慮しており、金融政策等によっては株式市場が下落する可能性は十分考えられます。

ただし、長期的に見れば、変動を繰り返しながら経済は成長していきます。現在勢いのあるインドのような国が、今後新興国の中から出てくるでしょう。その成長性を享受する為には、米国だけでなく幅広く新興国にも目を向ける必要があります。また、日本で暮らし日本の経済を活性化させるためには、日本への投資も必要ではないでしょうか。

 

 

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