ブラック・スワン

ブラック・スワン

ウィキペディアによれば『ブラック・スワン理論とは「ありえなくて起こり得ない」と思われていたことが急に生じた場合、「予測できない」、「非常に強い衝撃を与える」という理論。とりわけ予測・想像していた事態よりも大きな衝撃が起きることに使われ、金融危機と自然災害をよく表している。』とある。

また、「ブラック・スワンとは、マーケットにおいて事前にほとんど予想できず、起こったときの衝撃が大きい事象のことです」という解説もある。

ブラック・スワン現象

私がこれまで経済や景気ウオッチをしている中で「ブラック・スワン」ではないかと感じてきたものには、次のような事象がある。

●新型コロナウイルス
●ウクライナ戦争
◎FRB利上げ
◎習皇帝誕生
●イスラエル・パレスチナ紛争
●令和6年能登半島地震以後発生した一連の地震(千葉さいたまスロースリップ地震:愛媛・高知地震)

がある。

グローバルなブラック・スワン

パンデミックとロシアのウクライナ侵攻とどのような関係があるかはわからない。しかし、ウクライナ侵攻は国連の常任理事国であり、本来なら国際紛争を抑止し、調停することを期待されている超大国であるロシアがウクライナへ侵攻したところに問題の深刻さがある。

本来は世界の平和を維持するために紛争当事国を力で抑える役割を持っている常任理事国が突然侵攻したのだから、これから起こるであろう紛争を解決する調停役がいなくなってしまったのである。

ウクライナ戦争でウクライナが領土を割譲すれば、力がある者の「やり得」「やりたい放題」の結果となって、世界で虎視眈々と他国を狙っている国々(イラン・北朝鮮・中国など)が「やり得」を狙って一斉に武力行使に走る危険がある。

これらはいずれも第三次世界大戦を引き起こす誘因となる危険がある。

また、中東でハマスによるイスラエル攻撃・人質の拉致に始まった紛争などからイスラエル・イラン紛争に拡大しつつある。
これに関連してか、スエズ運河が封鎖状態になって、世界の物流が大きく変わってきた。中国の旗を立てれば攻撃されずスエズ運河を通行することができるという話も報道されている(4月24日付 日本経済新聞)。

事実上、スエズ運河が封鎖状態になれば、自由な通行を求めて西側自由主義国と中東諸国を含む独裁主義国家との新たな戦争の火種となる。

もしスエズ運河の封鎖が常態となれば西欧自由主義諸国との第三次世界大戦が起きてもおかしくはない。

グローバルなブラック・スワンは第三次世界大戦に収斂していくように見える。

日本のブラック・スワン

日本におけるブラック・スワンは「首都直下型地震」「南海トラフ地震」が双璧であろう。フィリピン海溝の沈み込みによる地震は既に「3・11東日本大地震」が発生し、次いで「東京直下型地震」「南海トラフ地震」の発生が相当の確率で予告されている。今年の正月元旦の「令和6年能登半島地震」に次いで3月千葉・埼玉で「スロースリップ現象」による地震が相次いでおり、首都直下型地震への警戒が強まっている。

追い打ちを掛けるように4月13日、同地方での地震観測開始以後最大の愛媛・高知地震が起きた。
今年に入って震度6を超える地震が相次いでおり、「首都直下型地震」「南海トラフ地震」を想起させるのである。

ジョージ・ソロス現わる?

4月26日の日本銀行政策決定会合の後、植田日銀総裁の記者会見の最中に「円」が大きく売られ34年振りに156円台に入った。
その直後、円は一時161円台まで進んだが、政府は5兆円に及ぶ為替介入を行い154円まで戻した。

円はかつて投機筋の売り浴びせに何度か遭ってきたが日本政府の強力な為替介入にあって敗退してきた。しかし、防衛ラインと言われた150円を軽く突破させた今、投機筋の攻撃にいつ晒されてもおかしくはない状況になってきた。

思い出すのは、イギリスがジョージ・ソロス氏によってポンドを売り崩されたことである。いま、第二のジョージ・ソロスが現われ、ポンドならぬ日本円を売り崩されてもおかしくはない状況に入ったと感じている。

これが日本にとって、いつ起きてもおかしくはない最大のブラック・スワンかもしれない。

 

LR小川会計グループ
代表 小川 湧三

 

 

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